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1.既存IT資産活用を支えるAPI連携
NTTデータでは、DX(デジタルトランスフォーメーション)におけるアプリケーションのモダナイズ手法を「9R(ナインアール)」として体系化しています。9RはあくまでTo-Be像を目指すための手段であるため、お客様の置かれている状況やビジネスニーズ・課題の優先度を踏まえ「どのシステムに」「どの”R”を組み合わせ」「どういった順序で適用していくか」をロードマップとして描くことが重要となります。9Rの1つである「リテイン/リインタフェース」は、API連携によって既存IT資産に極力変更を加えずにデジタル領域と融合し、データ活用やチャネル強化をはかる手法です。そして、このAPI連携を実現するのが「iPaaS」と称されるソリューションです。
アプリケーションのモダナイズ手法「9R」
2.NTTデータがMuleSoftに注目した理由
iPaaS(integration
Platform-as-a-Service)とは、オンプレやクラウドなどの異なった環境下にある複数システムをAPI連携するクラウドベースの統合プラットフォームであり、近年需要が高まっています。主要な製品としては、MuleSoftのほか、InformaticaやDell
Boomiなどがありますが、現時点でデファクトスタンダードは存在しないため、ニーズに合った清貧の選定・目利きが重要となります。NTTデータでは、複数の製品をフラットに評価し適材適所での導入を基本としていますが、MuleSoftはお客様からの引き合いが多いことや、Salesforceとの親和性が高いことから注目して取り組んでいます。
簡単にMuleSoftの特徴について4点紹介します。
- 2018年にセールスフォース・ドットコム社が買収。Salesforce製品のエコシステムで最適化
- API部品の共有・再利用を促進するアーキテクチャによる開発コスト削減
- クラウド、オンプレ、ハイブリッド問わず、稼働環境の柔軟な選択が可能
- グローバル企業における標準化を支える豊富な実績
iPaaSによるAPI連携
NTTデータグループではグローバルで多数の実績とデリバリ体制を有しています。日本においては、今年の3月に認定パートナーの仲間入りをし、MuleSoft社と協業してお客様へのご提案や技術者育成を進めています。
今回はMuleSoft社およびセールスフォース・ドットコム社とのアライアンスの一環として7月の「Salesforce
Live」イベントに登壇し、300名近くのお客様に聴講いただきました。
NTTデータグループの取組み
3.事例紹介・・・データ活用基盤/SaaS融合により基幹業務のデジタル化を推進
こちらは現在開発中である日本国内の金融業の事例になります。
顧客管理や契約管理業務において、これまではオペレータの人的な操作が介在する非効率な業務フローが残っていましたが、新たにSalesforceのCRM基盤とTableauによるデータ活用基盤等を統合し、オンラインリアルタイムでの処理連携を促進することで、業務フローの更なる自動化を進めようという取り組みになります。CRM基盤、データ活用基盤、既存IT資産とのAPI連携ハブとしてMuleSoftを活用した事例です。
事例(金融業のお客様)
4.新しいビジネス価値を創出するためのMuleSoft
SalesforceファミリーであるMuleSoftは有力なAPI連携製品であり、お客様のデジタル変革を支える技術として活用が期待されます。
NTTデータでは、これからもMuleSoftによるAPI連携を実現し、既存IT資産を有効活用し、新しいビジネス価値を創出することでお客様のDX推進に貢献してまいります。
記事に関する講演はセールスフォース・ドットコム社主催の
バーチャルイベント”Salesforce Live”でも実施しました。
資料はこちらからダウンロード頂けます。