NTT DATA

DATA INSIGHT

NTT DATAの「知見」と「先見」を社会へ届けるメディア

キーワードで探す
カテゴリで探す
サービスで探す
業種で探す
トピックで探す
キーワードで探す
カテゴリで探す
サービスで探す
業種で探す
トピックで探す
2020.9.15業界トレンド/展望

ロイヤルカスタマー育成の手間を低減!~当社・G会社のお悩み解決事例ご紹介!~

近年、マーケティング施策を考える上で重要度の高まる「ロイヤルカスタマー」。重要な存在とわかっていても、「ロイヤルカスタマー育成には“時間もコストもかかる”」と、お悩みの企業も多いのではないでしょうか。今回の記事では、顧客接点領域のマーケティングソリューション「CAFIS Explorer」の企画営業を担う林さんに、ロイヤルカスタマーの重要性や、手間を少なくスピーディーにロイヤルカスタマー育成を実現した事例を語っていただきました。ロイヤリティ向上・ロイヤルカスタマー育成施策を検討中のみなさま、ぜひご一読ください。

NTTデータのマーケティングDXメディア『デジマイズム』に掲載されていた記事から、新規事業やデジタルマーケティング、DXに携わるみなさまの課題解決のヒントになる情報を発信します。

プロフィール画像(林)

林 陽介
株式会社NTTデータ ITサービス・ペイメント事業本部 SDDX事業部 マーケティングデザイン統括部 デジタルマーケティング担当 課長代理
会員・ポイント管理システムCAFIS Explorerの立ち上げメンバー。CAFIS Explorerの他、ECやスマホ決済サービス、分析サービスの企画・立ち上げを歴任しており、顧客接点サービスから分析サービスまで、お客さまのロイヤリティを高めるためのサービスの在り方の提案を行っている。

なぜ今、ロイヤルカスタマー育成が重要なのか?

見出しの問いに答える前に、まず「ロイヤルカスタマー」とは一体どんなお客さまなのか、簡単にご説明したいと思います。

ロイヤルカスタマーとは?

ロイヤルカスタマーは、一般的に以下3つの要素を備えたお客さまを指します。

① 自社の商品やサービスに愛着を持ち(他社乗り換えせず)、
② 自社の商品やサービスを繰り返し購入し、
③ 第三者に自社の商品やサービスを紹介してくれる

すなわち、「ロイヤルカスタマー」は自社に安定的な利益を繰り返し生み出し、新規お客さまも連れてきてくれる重要な存在です。

なぜロイヤルカスタマー育成が必要なのか?

一方、マーケティングの世界では「1:5の法則(注1)」や「5:25の法則(注2)」と言われるように、かねてより既存顧客の重要性はうたわれていました。
注1)1:5の法則とは、新規顧客に販売するコストは既存顧客に販売するコストの5倍かかるという法則
注2)5:25の法則とは、顧客離れを5%改善すれば、利益が最低でも25%改善されるという法則

それが近年では、スマホやSNSの普及によって情報量が爆増したことにより、「1:5の法則」を超え、新規お客さま獲得コストは10倍になったとのデータもあります。すなわち、企業がいくらお金をかけて新しいお客さまへ情報を届けようとしても、届かない状況になったと言えます。結果、一度接点をもったお客さまを囲い込む=“ロイヤルカスタマー“を育てることの重要性が、年々高まってきているのです。

さらに、新型コロナウイルスの影響で、外へ出回る人も減り、国内消費を支える新たな柱として期待されていたインバウンドも大きな打撃をうけました。この状況からも、今まで以上に、「既存顧客を育て、顧客単価をあげる活動」や「既存顧客の繋がりから新規顧客を獲得する活動」の重要度が増していると言えます。

ロイヤルカスタマー育成で押さえておきたいポイントは?

前章のロイヤルカスタマーが備える3つの要素に対応する形で、その育成には主に3つの仕掛けが必要になると考えられます。

1.愛着をもってもらうための仕掛け
2.繰り返し購入してもらうための仕掛け
3.周囲にも紹介したくなるような仕掛け

そして、この3つの仕掛けを単発・バラバラに行うのではなく、「お客さま1人1人のカスタマージャーニーやステージにあわせて、連続的に施策を実行すること」がお客さまの目線から見た場合に、きわめて重要になります。

ロイヤルカスタマー育成のための仕掛け・施策例

ロイヤルカスタマー育成のための仕掛け・施策例

では、このような「One to One」かつ「お客さまのステージにあった連続的な施策」を成功させるには、何が必要でしょうか。お客さま1人1人の状況や効果を適切に数値化・可視化し、分析を行い、改善アプローチを繰り返すこと、そして、日々変わるお客さまの状況に遅れないよう、情報鮮度が落ちないうちに素早く実行することも重要です。

すなわち、ロイヤルカスタマーの育成は、「One to One」で「お客さまのステージに合った施策」を「連続的」に「素早く実現」し、「素早く評価」することが必要だと私たちは考えています。

もちろん1つ1つの施策の質を高めることも重要な観点ですが、上記のようにきめ細かさとスピード、そして連続性をバランスさせるためにどうすれば良いのかも重要な論点と考えます。

ロイヤルカスタマー育成施策の実行によくある悩み

前章で、「施策のきめ細かさとスピード、連続性をバランスさせることが必要」と述べましたが、現実的には簡単にできるものではありません。

例えば、One to One施策と一言で言っても、数万人のお客さまを細かくセグメンテーションし、対象のお客さまを抽出、そのお客さまに合ったコンテンツを制作して届ける......と考えると、非常に大変な作業です。

そのため、「やりたいけれど、時間もコストも大幅にかかる」と、実行を断念している企業が多いと感じています。

解決のためにデジタル技術を活用しようと模索する企業もありますが、「会員を管理するシステムがレガシーだから新しいデジタル技術を活用できない」、「現行システムを長期間使っているうちにカスタマイズが増え、新しい施策に対応できない」といった問題を抱える企業が多いのが、私たちが見聞きした実感です。

また、MarkeZine編集部による「マーケティング最新動向調査2020」の結果からも、マーケティング活動の推進にあたり、人的リソースの問題やスピード感に乏しいといった課題感が見えており、コスト(費用や人的リソース)や時間に課題を感じている企業が多いことが伺えます。

マーケティング最新動向調査 2020

出展:MarkeZine編集部『マーケティング最新動向調査 2020』(翔泳社、2020年)

施策実行のお悩みを解決できた事例とは?

では、前章まで述べてきた、ロイヤルカスタマー育成施策を実行する上での期待と悩みのギャップをどのように埋めれば良いでしょうか。解決のヒントとして、NTTデータとネットイヤーグループの事例をひとつずつご紹介します。

事例1:パーソナライズされた買い回り&再来店施策をわずか1か月で実現!

1つめは、リアルタイム性とパーソナライズ性を兼ね備えたスタンプラリー施策(注3)を企画から約1か月で実現したJR西日本さまの事例です。
注3) JR西日本さまが運営しているショッピングセンターに来店をするとスタンプがもらえ、スタンプを集めることでポイントをゲットできるというアプリ施策

スタンプラリーは「繰り返し来店・購入してもらう仕掛け」として有効な施策です。また、「買ったら”すぐに”スタンプがもらえる」リアルタイム性や、「”自分の特徴に合った”館が表示される」パーソナライズ性も、お客さまの好感度を高める重要な要素です。この施策は、当社が提供している顧客基盤である、次世代ポイント・会員管理ソリューション「CAFIS Explorer」を活用することで実現しました。

スタンプラリーイメージ

スタンプラリーイメージ

この事例で取り上げたような新たな施策を実施する場合、システム対応にかかるコスト・期間にお悩みの方は多いと思います。そのような悩みを解消し、1か月という短期間で実現できた成功要因の1つは、”マイクロサービス化”された顧客管理基盤にあります。

今回JR西日本さまにご利用いただいた「CAFIS Explorer」は、ポイントの照会や会員情報の更新といった、業務に必要なサービス群をAPIと呼ばれる形であらかじめ備えています(これをマイクロサービス化と呼びます)。今回の施策実現にあたっては、それら標準搭載されたAPIを組み合わせることにより、システム対応のコストと期間を最小限にすることができました。

マイクロサービス化された顧客基盤利用イメージ

マイクロサービス化された顧客基盤利用イメージ

今回は、複数施設への来店や買い回りを促進するスタンプラリー施策を実現しましたが、この顧客基盤を活用することで、例えば、単一施設で再来店を促すスタンプラリーや、オフライン×オンラインを組み合わせたキャンペーンなど、さまざまな施策にも柔軟かつ最小限の時間・コストで対応できています。

事例2:会員数1000万以上!運用負荷を低減しつつOne to Oneコミュニケーションを実現

2つめは、多数の会員へのアプリプッシュ&メルマガ施策の運用負荷を低減しつつ、施策の質を向上した大手飲食サービス企業さまの事例です。

この企業さまは、1000万以上の会員を対象にアプリプッシュとメルマガ配信を行っており、運用負担を軽減したいという悩みをもっていました。また、一斉に同じ内容を配信していたため、施策の質にも課題を感じていました。

そこで、運用負荷を軽減しつつOne to Oneコミュニケーションが実施できる仕組みを実現すべく、マーケティングオートメーション「Salesforce Marketing Cloud(以下SMC)」を導入しました。このプロジェクトは、私たちのグループ会社であるネットイヤーグループが実施しました。

SMCを用いて実現した「お客さま1人1人に合わせた情報の自動配信」の具体例のひとつに、天候・気温に合わせたクーポンの配信が挙げられます。気温の高い日はビールのクーポン、寒い日は温かいスープのクーポンなど、お客さまの好みに加えて天候・気温を加味したクーポンを配信することにより、One to Oneコミュニケーションを実現しています。

配信シナリオのイメージ

配信シナリオのイメージ

こうした取り組みの結果、お客さま企業の運用負荷が大幅に低減されたことに加え、アプリプッシュのクリック率が45%アップ、メルマガ開封率が20%アップするという成果が得られました。

 

今回はロイヤルカスタマー育成をテーマに、施策実行におけるよくあるお悩みや、事例をご紹介しました。みなさまの今後のマーケティング推進に少しでもヒントになれば幸いです!

NTTデータとネットイヤーグループには、今回ご紹介した事例のほかにも、ロイヤリティ向上のための顧客基盤の構築から、マーケティング施策の企画立案~実現までをご支援した実績が多数ございます。ロイヤリティ向上・ロイヤルカスタマー育成戦略にお悩みの方、検討中の方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度ご連絡ください。

問い合わせはこちら

関連情報

次世代ポイント・会員管理ソリューション CAFIS Explorer
https://www.nttdata.com/jp/ja/lineup/cafis_explorer/

カスタマーサクセス業務支援サービス
https://www.netyear.net/services/customer_success.html

お問い合わせ