コロナによって加速するDX
「データとデジタルを活用して、企業を成長させていくこと」というDX(デジタル・トランスフォーメーション)、2004年のエリック・ストルターマン教授の提唱が起源とされていますが、金融業界でもこのDXの動きは例外なく進んでおり、デジタルテクノロジーを活用した新しい価値の創出が起こっています。このDXに取り組む企業が増加しつつある中でコロナが発生しました。
コロナの影響によって、業界横断的にはリモートワークを契機とするデジタルオフィス、オンライン・コミュニケーションのニーズが高まりDXを加速させています。金融業界においても対面取引から非対面取引(オンライン取引)に始まり、デジタルレンディングの需要増加、One to Oneマーケティングをベースとしたオファー融資(プッシュ型融資)など、DXの推進が加速しつつあります。
真のデータ活用とは
データに着目すると、DX以前から膨大なデータが発生・蓄積されており、さらにDX・コロナの流れでデータが爆発的に増加しています。データ活用も進んでいる状況ですが、本当に活用できているでしょうか。
従来のデータ活用の方法論では、システムが扱える形でデータを取り込むことが前提にあり、本来手段であるシステムでデータを取り扱うということが目的化してしまい、データ活用に視点がいかないSystem-Orientedな目線になりがちです。先進的なBIツール、AIソフトウエアを導入しても活用可能なデータの範囲が限定されていることで、その効果が発揮しきれないケースもあります。
真のデータ活用において、重要なポイントは2点あります。一点目は「未活用データを活用すること」です。そもそもシステム管理されていないデータをどう活用するか、またシステム化されていても、活用に至っていないデータをどう活用するか、が重要です。
図1:真のデータ活用に向けて ― 未活用データの活用
二点目は、「User-Orientedな目線でデータ活用の目的を考えること」です。
System-Orientedな目線では、下図に示すSTEP1収集・蓄積、STEP2可視化、STEP3分析・解析までをデータ活用実現のプロセスとしていたと思います。User-Orientedな目線では、難易度の高いSTEP0の戦略立案、最終STEP4の事業変革/経営転換も対象にする必要があります。
図2:真のデータ活用に向けて ― User-Orientedなデータ活用実現プロセス
NTTデータは高度データ活用を実現するABLER™(※1)を通じて、「未活用データの活用」「User目線でのデータ活用」をお客さまと共に考え、実現する、データ活用経営のパートナーとして貢献します。