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2020.10.13技術トレンド/展望

AIシステム開発のポイント[前編](AIプロジェクトの全体像)

近年、AIモデルを手軽に扱える環境が整ってきたこともあり、開発したモデルをシステムに組み込む実用化フェーズへの関心が高まっている。
本記事ではAIプロジェクトのフェーズについて定義し、その中で起こるAI固有の課題について紹介する。

~「NTT DATA Technology Week 2020」連動企画~

※本記事は、「NTTデータ テクノロジーカンファレンス 2020」の講演内容に関連する記事です。
講演聴講については本記事の最下部をご覧ください。

AIプロジェクトはシステム開発フェーズへ移行している

AIが注目されるようになってから数年が経ちました。いまや各社からAPIやライブラリが提供されており、AIを手軽に扱える環境が整ってきています。今後は、AIを取り取り入れた新規サービスの創出や、既存ビジネスの効率化など、AIプロジェクトはますます活発になることが予想されます。

これまでのAIプロジェクトでは、モデル開発フェーズにおけるモデル開発が着目されていましたが、最近は開発したモデルをシステムに組み込んで実用化するシステム開発フェーズへの関心が高まっています。そこで、AIシステム開発のポイントについて前後編でお伝えします。前編である本記事ではAIプロジェクトのフェーズを定義し、AIシステムの構成例とそのポイントについて紹介します。

AIプロジェクトのフェーズ

NTTデータでは、AIプロジェクトのフェーズを下記の図のように2つに分けて定義しています。

図1:AIプロジェクトのフェーズ

図1:AIプロジェクトのフェーズ

「モデル開発」フェーズでは、ビジネス導入時の有効性を確認するために、モデル開発と検証を繰り返し行います。このフェーズでは、データやパラメータなどの条件を変更しながら検証サイクルを素早く回すためにMLOpsの仕組みを活用します。

「システム開発」フェーズでは、「モデル開発」フェーズで有効性が確認できたモデルを、システムに組み込んで稼働させるために開発を行います。このフェーズでは、前フェーズのMLOpsに加え、モデル開発スピードに併せてデータを供給するためにDataOpsの仕組みが重要になります。(※1)

AIシステムの構成

続いて、代表的なAIシステムの構成は下記の図のようになります。

図2:AIシステムの構成例

図2:AIシステムの構成例

「モデル開発」フェーズでは、図中の開発環境のみを用意し、そこでモデルの開発を行います。
そして、「システム開発」フェーズでは、ユースケースによって多少異なりますが、開発環境に加えて、学習、推論などを行う本番環境を追加します。

開発環境で作成したモデルの開発コードをリファクタリングし、データ更新などのトリガーで自動的にモデルの学習を行うコードをオンライン学習環境に配置します。また、他システムなどからAPI経由などでデータを受け取り、モデルによる推論結果を返すコードを推論環境に配置します。
そして、各データソースからデータを収集し、学習環境と本番環境のDMへデータを継続的に供給するETLパイプラインが必要になります。

この「システム開発」フェーズにおいて、特にポイントとなるのは以下の2つです。
まず、扱うデータ量や種類が増えるため、データを整理して鮮度や品質を保つように管理が必要です。
次に、AIシステムでは多くの構成要素が連動していることから、システム全体の品質を担保する仕組みを設計する必要があります。

例えば、古いデータで学習したモデルでは十分な精度を出すことができませんし、再学習によりモデルを更新すると入力に対する出力パターンが変わるため網羅的な試験が難しいなど、対処すべき課題が多くあります。
このように、AIプロジェクトにおけるシステム開発では、従来の「ソフトウェアとしての品質」保証に加え「AI固有の品質」についても考慮する必要があります。そこで、AIシステムの品質保証の考え方を整理したものを後編の記事にてご紹介します。

まとめ

本記事では、AIプロジェクトのフェーズについて定義し、各フェーズの特徴や実施手法について解説しました。そして、「システム開発」フェーズにおいて重視すべきポイントである、データ供給とシステム品質の担保について整理しました。
NTTデータでは、今回ご紹介したポイントに沿って、AIプロジェクトの進め方やタスクをAI開発プロセスとして標準化しております。(※2)AIプロジェクトに関する困りごとがございましたら、お気軽にご相談ください。

イベントのお知らせ
NTTデータ主催 オンラインイベント

コロナ禍の状況で世の中が大きく変化する中、いち早く新たな未来を創っていくために、先進的な知見と確かな技術力の重要性がより高まっています。
本イベントでは、AIをエンタープライズで活用するための取り組みや、組織改革とクラウド活用の事例、COVID-19に立ち向かうNTTデータの最先端技術、OSSを中心とした最新技術動向など、NTTデータならではの先鋭的な技術トピックを、一緒に取り組んだお客様と共にNTTデータの高度な技術者がご紹介いたします。

本記事に関する講演情報

※講演開始時間は変更になる可能性がございます。
2020年10月14日13:50~
「信頼できるAIシステム開発の勘どころ~AI開発方法論×AI品質保証~」
NTTデータ 技術開発本部 部長 武田 光平

2020年10月14日14:40~
「NTTデータが考えるデータ基盤の次の一手~AI活用のために知っておくべき新潮流とは?~」
NTTデータ システム技術本部 デジタル技術部 土橋 昌

2020年10月14日15:05~
「データ活用を俊敏に進めるためのDataOps実践方法とその高度化のためのナレッジグラフ活用の取り組み」
NTTデータ システム技術本部 デジタル技術部 八木 香充/大山 真実

イベント詳細、お申込みはこちら
https://oss.nttdata.com/techconf2020/

NTT DATA Technology Week 2020

NTTデータ テクノロジーカンファレンス 2020と並行して、2020/10/12(月)~23(金)に「NTT DATA Technology Week 2020」を開催します。
日経BP社主催「日経xTECH EXPO 2020」と当社主催「NTTデータ テクノロジーカンファレンス 2020」の2つのオンラインイベントを中心に、よりよい社会の創造に向けてNTTデータが注目する技術情報を多数発信していきます。
このDATA INSIGHTでも、「#TechnologyWeek2020」とタグをつけ、関連する記事の紹介や新規記事の発信を行っていきます。
With/Afterコロナで新しい社会の姿が求められる中、今後の社会変化をリードするデジタルテクノロジーについて皆様と一緒に考える2週間にできればと思います。
ぜひご参加ください。

イベント詳細はこちら
https://www.nttdata.com/jp/ja/event/2020/technologyweek/

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