各国で異なる変革の導入アプローチ
NTTデータでは、お客様の組織のデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)を支援するための手法として、大規模アジャイルフレームワーク「Scaled Agile Framework®(以下、SAFe)」の活用をグローバルで推進しています。(SAFeは、組織の変革とBusiness Agilityの実現に必要な、実証済みの原則、プラクティス、コンピテンシーなどを含むフレームワークです。SAFeについては、Data Insightのこちらの記事もご参照ください。)一方で、複数の国・地域に拠点を持つグローバル企業でのSAFeの導入に際しては、それぞれの国や地域の特性を考慮する必要があります。例えば、アジャイルに関する理解と実践が進んでいる欧米のお客様には、SAFeが提唱している導入手順に従いリーン・アジャイルを組織の中でどのように浸透・スケールさせるかに関する幹部・リーダー向けのトレーニング・コーチングから支援することが多い一方で、アジャイルがまだ十分に浸透していないことが多い日本のお客様には、リーンやアジャイルの考え方を上位層に訴求しつつ、まずチーム単位でのアジャイル開発の実践から支援することが一般的です。また、お客様の中で変革の範囲を広めるにあたっても、欧米ではトップダウンで行うのに対して、日本では現場の有力者の意見も尊重されます。NTTデータは、SAFeをグローバルでの変革の「標準プロセス」と捉えつつ、その導入支援に際しては国や地域の特性に応じたアプローチをお客様に提供しています。
グローバルでの組織変革支援体制の構築
NTTデータでは、お客様のグローバルでの組織変革を支援するための体制構築に取り組んでいます。SAFeの認定コンサルタントであるSAFe Program Consultantは、世界14ヵ国の拠点で合計110名を超えました(2020年9月現在)。
図1:NTTデータのSAFeコンサルタントが活躍する国内外の拠点
加えて、各国拠点がSAFeを核として戦略立案から、人財育成、プロセス整備、ITソリューション構築に至るまで、組織のDXに必要なアセットを整備しています。10月27日、28日に行われたSAFeに関する世界最大のイベント「GLOBAL SAFe SUMMIT」では、スポンサーとしてNTTデータグループのアメリカ、イギリス、ドイツ、イタリアのアジャイルリーダーが登壇しました。
図2:GLOBAL SAFe SUMMITで登壇する各国のアジャイルリーダー
講演の中では、各国の持つアセットの紹介に加え、アメリカは製薬会社、イギリスは投資会社、ドイツは自動車メーカー、イタリアはロボット製造会社の事例を紹介し、実績に裏付けされたグローバルでのDXサポートのケイパビリティを示しました。日本を含め、NTTデータグループでは金融業・製造業を中心に多様な業種のお客様の変革にSAFeを利用しており、SAFeは業界によらず真のDXを望む全てのお客様にとって活用可能な変革のフレームワークと言えます。
また、このような取り組みの結果、NTTデータグループは2020年9月25日に、日本企業初、グローバルで第3社目の「Global Transformation Partner」の認定を、SAFeを提供するScaled Agile, Inc.社(以下、SAI社)から受けています。(本件については、こちらのニュースリリースもご参照ください。)SAI社とのパートナーシップの強化により、お客様のグローバルでの変革の支援に一層注力してまいります。
おわりに
新型コロナウイルスの影響が続く中で、ビジネスの推進のために多くの企業が転換点に立たされています。特に、グローバル企業は全世界の拠点を巻き込んだ変革の推進を求められています。NTTデータではSAFeをはじめとしたDXのためのオファリングの提供と各国拠点での支援の提供を通じ、お客様のグローバルでの変革をサポートしてまいります。