NTTデータのマーケティングDXメディア『デジマイズム』に掲載されていた記事から、新規事業やデジタルマーケティング、DXに携わるみなさまの課題解決のヒントになる情報を発信します。
「IT企業が考えるデジタルマーケティング」に対するイメージ
このオウンドメディアでは、私たちが取り組んでいるデジタルマーケティングについてお伝えしていく予定ですが、その前に私たちが考えているデジタルマーケティングとは何かについて、少しご説明させてください。
まず、みなさんがイメージする「IT企業が考えるデジタルマーケティング」とはどういうものでしょうか? メルマガやクーポンの仕組み、DMP (Data Management Platform) やCDP (Customer Data Platform) のような顧客データを管理する仕組み、マーケティングオートメーションのようなマーケティングを可視化・自動化する仕組み…挙げればきりがないですが、おそらくこうしたシステムやソリューションをイメージするのではないでしょうか。
余談ですが、2019年のマーケティングテクノロジーランドスケープでは、ついに7000を超えるソリューションが紹介されました。正に、挙げればきりがない状態です。
Marketing Technology Landscape Supergraphic (2019)
もちろんこうしたテクノロジーを目利きし、システム構築・ソリューション提供を行う領域は私たちが元々得意としてきたことではありますが、今私たちが力を入れて取り組んでいることは、こうした「仕組みありき」ではなく、デジタル技術を活用して企業のビジネスをどう高めていくか?という点にあります。
私たちの考えるデジタルマーケティングとは?
では、私たちが考えるデジタルマーケティングとはどういうものか。具体例として分かりやすいものは、2019年9月にニュースリリースしたレジ無しデジタル店舗出店サービス「Catch&Go」です。これは、スマホアプリやAIカメラ、重量センサーなどのデジタル技術を活用したリアル店舗を構築・出店するサービスです。
「あれ、デジタルマーケティングってどこに出てくるの?」と思った方もいるかもしれません。確かに、このサービスのメリットとしてまず思い浮かぶのは、「お客様のお会計ストレス軽減」や「従業員のレジ打ち省略」といった、効率を良くする点だと思います。もちろんこうした「今のビジネスをさらに良くする」メリットも、私たちはとても重要と考えています。ただ、私たちがより注目しているポイントは、次の二つになります。
- リアル店舗で起こっていることをデータとして蓄積し、次の儲けに繋げられること
- デジタル技術を起点とした新しい店舗を開発し、新たな儲け方を創り出せること
リアル店舗で起こっていることをデータとして蓄積し、次の儲けに繋げられること
Webマーケティングに携わったことのある方には当たり前のことかもしれませんが、お客様自身やお客様に関連するデータを蓄積して活用できることが、マーケティング領域でデジタル技術を活用する本当の価値だと考えています。例えばこの「Catch&Go」の場合、今まで取得できていた「誰が何を買ったか」といったデータに加え、どんなお客様がいつ入店し、どんな商品に興味を示したか、どんな商品と比較したか、どのくらい迷ったか、何を買わなかったのか、といった購入に至るまでのデータも取得できるようになります。それらデータを活用して、お客様の満足を高め、店舗の売上を高める新たな施策を打ち出せるようになることが、重要だと考えています。
デジタル技術を起点とした新しい店舗を開発し、新たな儲け方を創り出せること
近年、OMO (Online Merges with Offline) というワードが注目されている通り、リアルとオンラインを区別しないビジネスのあり方をめざす動きが活発になっています。こうした動きは、企業よりも、お客様自身がリアルとオンラインを区別しなくなってきたことが大きいと考えています。例えば、スマホで口コミや価格をチェックしながらリアル店舗を楽しむお客様は、最近では当たり前です。「Catch&Go」も、私たちは単にそのデジタル技術を提供するのではなく、これまで企業が取り込むことが難しかったお客様や商圏をターゲットに、デジタル技術を起点として店舗のあり方そのものを変えることが重要だと考えています。
このように、「(私たちが得意とする)デジタル技術を強みに」「リアルとオンラインを融合させ」「企業の儲けに貢献すること」が私たちの考えるデジタルマーケティングです。
私たちの取り組みと展望
私たちは、「デジタル技術を強みに」「リアルとオンラインを融合させ」「企業の儲けに貢献すること」をめざし、大きく二つのミッションに取り組んでいます。
従来の枠を超えるデジタルマーケティングサービスの創出
北米・欧州・中国を中心に、世界のテクノロジー・マーケットトレンドの調査・見極めを行い、「Catch&Go」のような新たなデジタルマーケティングサービスを企画しています。海外の各種カンファレンス参加や現地マーケット視察に加え、NTTデータが世界中に持つグローバル拠点やスタートアップコンテスト(※)なども活用することで、世界の動きをいち早く捉え、新たなサービスを創出しています。
(※)NTT DATA Open Innovation Contest
デジタルマーケティングを起点とした企業のデジタル変革推進
主に小売・エンタメ・スポーツといった企業を対象に、企業のビジネスと先進テクノロジー双方の専門家として、店舗や競技場など顧客接点となるリアルな場のデジタル体験変革、送客・CRMといったデジタルマーケティングソリューション活動、Twitterなどのソーシャルデータ活用などに取り組んでいます。例えば、2019年3月からグループ会社に加わったネットイヤーグループとは、「顧客接点となるリアルな場のデジタル体験変革」について、ビジネス・サービスデザインから、必要となる業務・システム設計、実装、そして活用までをトータルに取り組み中です。
このように、企業が今後、デジタルマーケティングやデジタルトランスフォーメーションに取り組んでいくには、優れた技術だけではなく、顧客体験、業務オペレーション、組織、システムなどの変革も必要となります。こうした企業の変革に共に取り組み、デジタルマーケティングを起点としたデジタルトランスフォーメーション実現にチャレンジしていくことが、私たちの取り組みにおいても重要だと考えています。
そのために必要となる私たちの具体的なサービスや、クライアント企業との実際の取り組み内容については、これからこのサイトにて詳しくご紹介する予定です。ぜひご期待ください!