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2020.2.21事例

消費者理解のためのTwitterデータ活用最前線(ソーシャルメディアデータ活用支援サービス)

消費者のさまざまな声が蓄積されていくソーシャルメディア。特にTwitterは国内に4500万人以上のアクティブユーザーが存在すると言われており、ユーザー間の「リツイート機能」による拡散性の高さも魅力的なソーシャルメディアです。NTTデータはTwitter Official Partnerとして、全世界の全量ツイートデータをリアルタイムで取得・蓄積し、データ提供や分析サービスを展開しています。取組の中で見えてきた、ソーシャルメディアのマーケティング活用の課題や成功事例について、Twitterデータ分析サービスを担当する高野さんに話を伺いました。この記事では、その模様をお届けします!

NTTデータのマーケティングDXメディア『デジマイズム』に掲載されていた記事から、新規事業やデジタルマーケティング、DXに携わるみなさまの課題解決のヒントになる情報を発信します。

ソーシャルメディアによって消費者が購買を主導する時代に

―ソーシャルメディアの利用が定着し、企業と消費者の関係はどのように変化しているのでしょうか。

NTTデータ ITサービス・ペイメント事業本部SDDX事業部 マーケティングデザイン統括部 デジタルマーケティング担当 課長代理 高野恭一氏

NTTデータ ITサービス・ペイメント事業本部SDDX事業部 マーケティングデザイン統括部 デジタルマーケティング担当 課長代理 高野恭一氏

ソーシャルメディアの登場によって、消費者自身で容易に情報収集&発信が可能となりました。さらにスマートフォンが登場・普及し、誰もがソーシャルメディアに気軽に触れる時代となったことで、今日では企業よりも消費者のほうが情報感度・情報リテラシーが高くなっています。

出典:「スマートフォンの個人保有率の推移」(総務省)

出典:「スマートフォンの個人保有率の推移」(総務省)

最近では、「豆乳を凍らせた豆乳アイスが話題となり、これまで豆乳を飲まなかった層が豆乳を買い始める」、「氷結にアイスボックスを入れるという消費者のアイディアが話題となり、企業が商品化する」といった、企業が意図せず、消費者が起点となる事例が日々生まれています。まさに消費者が購買を主導する時代になっていると考えられます。

このような状況において、企業は情報感度・リテラシーの高い消費者を理解し、付き合い方を考えることが重要になってきています。ある調査では、「売り場の販売員よりも、自分の方が買おうとしている製品に詳しいと確信している消費者が48%」、「売り場の販売員の説明が本当に正しいのか疑わしいと考える消費者が67%」という結果が出ています。

消費者インサイトを捉えるためのTwitterデータとソーシャルリスニング

Twitter利用者情報

Twitter利用者情報

―消費者を理解するために、企業はどのようにソーシャルメディアを活用すべきでしょうか。

これまでも企業では、アンケートやインタビューなど、さまざまなデータを活用して消費者理解に努めてきました。そして、ソーシャルメディア分析による消費者理解も、いまやマーケティング手法として欠かせないものとなっています。

ソーシャルメディアの中でもTwitterは以下の特徴によって、消費者インサイトの発掘に適したメディアであると言えます。

Twitterの特徴

・東日本大震災の際に情報インフラとして活用されたこともあり、日本では若い人だけでなく、高齢者も含め、幅広いユーザーが利用している
・他のソーシャルメディアと比較し、情報感度・情報発信力の高いユーザーが多い

しかし、ソーシャルメディアデータを活用した消費者理解は、いまだに企業にとって難しく、課題があるのが現状です。それは、世の中にたくさんあるソーシャルリスニングツール(注1)では、自社製品や競合製品の分析までしかできないからです。「消費者のことを理解したい」と言う企業ニーズに対して、実は「商品起点の分析しかできない」というのが、既存のソーシャルリスニングツールの問題の一つと言えます。
注1) ソーシャルメディアの投稿データから、業界のトレンド、ユーザーニーズなどを分析するツール

これからのソーシャルリスニングはユーザー軸の「探索型」へ

探索型分析イメージ

探索型分析イメージ

―既存のソーシャルリスニングツールの問題を解消するために、どのようなソリューションが考えられるのでしょうか。

当社は最上位のTwitter Official Partnerとして、全世界の全量ツイートデータをリアルタイムで取得・蓄積し続けています。全量データを公式に扱うことが認められている、国内唯一のパートナー企業として、データ提供やツール提供だけでなく、お客さまのデータ活用状況にあわせて、既存のソーシャルリスニングツールでは出来ない「探索型」の分析サービスを提供しています。

探索型の分析とは、例えば「学生の中で流行しそうなコトは何か?」、「クリエイティブなユーザーが反応しやすいのはどのようなコンテンツか?」といった一般的なソーシャルリスニングツールでは検索が難しい分析です。

当社では、「ユーザープロファイルDB」というTwitterデータから顧客の属性を推定するサービスによって、従来の商品軸ではなく、ユーザー軸での探索型分析を実現しています。このサービスでは、全量ツイートデータを機械的に分析することで、性別・年代といった属性推定情報に加え、野球に関するツイートが多いのか、アニメに関するツイートが多いのか、といった趣味に関する情報や、環境問題、ソーシャルグッド(地球環境や地域コミュニティなどの「社会」に対して良いインパクトを与える活動や製品、サービス)に興味のある人かといった志向性情報、購買動向などの把握も可能です。もちろん、各アカウントが誰なのかといった個人情報は一切分からないようになっています。

また、Twitterをはじめとしたソーシャルメディアは、ユーザーが自由にテキスト入力するため多くのノイズデータが混ざります。当社ではノイズを除去する技術(特許取得済み)を活用し、大量のデータの中から純度の高いデータを取得することに強みを有しています。

アルバイト探しの潜在ニーズ発掘。意外なキーワードでブランド力UP!

アルバイト探しをする人の意外性のあるキーワード

アルバイト探しをする人の意外性のあるキーワード

―探索型の分析サービスを活用した具体的な事例を教えてください。

ある人材派遣業界の企業は、アルバイト探しをする人を獲得するため、検索連動型広告やリターゲティング広告などを行なっていましたが、競合他社も同様の施策を行っていたため、獲得効率が伸びないという課題を抱えていました。

そこでこの企業は、将来アルバイト探しをしそうな人へいち早くアプローチするため、こうした人がどのような潜在ニーズを抱えているかをソーシャルメディアデータから導出することを試みました。

具体的には、アルバイト探しを始めた人たちと始めなかった人たちのソーシャルメディア上の過去1年間の発言を調査し、日々の発言・行動の違いからアルバイト探しの潜在ニーズやニーズが発生するタイミングを明らかにしました。結果、一見バイト探しとは無関係にも思える意外性の高いニーズキーワードを発掘することができたのです。このキーワードを広告コンテンツなどのプロモーションに活用することで、競合他社よりも早い潜在顧客へのリーチを実現し、従来手法と比較してブランド想起やブランド利用意向を高めることに成功しました。

また、CPA(顧客獲得単価)を最大70%改善することもできました。実は、ここ数年、世界的にインターネット広告費が高騰し、ネット広告による顧客獲得効率が低下しています。この傾向がさらに続くことが想定される中で、こうした成果も評価いただきました。

CPA70%改善のワードは「ンヒィィィィィ」インテリジェンスも驚くTwitterデータ分析と広告配信

訪日外国人の分析でオーバーツーリズム解消とビジネスの両立に貢献!

観光地の発掘事例

観光地の発掘事例

Twitterは世界中で使われているメディアであるため、日本人以外の消費者理解にも活用可能です。近年、需要が多いのが訪日外国人の分析です。

世界的に観光需要が高まっている中、日本でも京都を中心にオーバーツーリズム(観光地にキャパシティ以上の観光客が押し寄せる事象)が問題になっています。これは、観光地(自治体・企業)側の問題であると同時に、観光客にとっても満足度を下げてしまうものです。

オーバーツーリズムの解消には、旅行プランに混雑していない場所を組み入れてバランスを取ったり、ピークタイムを避けたりする全体最適の思考が求められます。しかし、多くの自治体・企業は、外国人旅行者に人気のある観光スポットがわかっていないのが現状です。

そこで、当社は東京海上日動火災保険さまと、日本全国の観光スポットの話題量や評価を外国人旅行者のソーシャルメディアでの発言から分析することで、よりリアルなニーズを明らかにしています。調査結果は、地方自治体やインバウンド事業者などに提供し、施策立案に役立てていただいています。

ソーシャルビッグデータを活用した全国インバウンド観光調査を実施

今後、訪日外国人だけでなく在留外国人マーケットが広がっていくことが想定されます。すでに日本で暮らしている300万人近い外国人に加え、新たな在留資格の創設によって、さらに在留外国人が増えることが予想されます。生活者としての外国人理解にソーシャルメディアが活用される機会も増えてくるものと思います。

Twitter Official Partnerとして……企業の消費者理解にますます貢献します!

―最後に、ソーシャルメディアデータのマーケティング活用を検討中の方やお困りの方へメッセージをお願いします。

Twitterをはじめとしたソーシャルメディアデータは、消費者のライフログをリアルタイムに把握可能なデータソースであり、消費者理解・市場理解のセンサーとして活用できます。ここに紹介した事例以外にも、ソーシャルメディアデータを活用した商品の販売予測や次のヒット商品の発見などさまざまな活用方法が生まれています。

私たちはTwitter Official Partnerとして、これからもさまざまな企業の消費者理解をお手伝いし、企業の事業成長・成功に貢献していきたいと考えています。

関連情報

◆フォロワーの意識・態度・行動変容への影響度を可視化することで企業マーケティングを支援するサービス

Twitter全量データを活用した「インフルエンサーリレーションズサービス」提供開始

◆企業のソーシャルメディアデータ活用を支援するサービス

トータルデータ解析サービス「なずき」

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