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2020.12.1技術トレンド/展望

クラウドファーストで、迅速なテレワーク移行を実現

コロナ禍において急遽テレワークの実施を迫られた中で、従前からクラウドファーストに取り組んでいたシステム運用のテレワーク化を例とし、テレワーク移行に向けた検討結果および約半年経過した現在の成果と課題を紹介する。

業務内容の紹介

当社では、社内向けにパブリッククラウドサービス上で独自のAgile開発基盤サービス「Altemista® Cloud DevOps(以下、DevOpsツール)」(※1)を開発し、利用者へ提供しています。

※1Altemista®はNTTデータの登録商標です

クラウドファーストの取り組み

DevOpsツールの運用チームでは、2020年4月の緊急事態宣言発出前後でのテレワーク開始以前より、クラウドファースト(※2)に取り組んでいました。

具体的には以下の取り組みです。

  • ツールの積極的利用:DevOpsツールに含まれるwikiやチケット管理ツールを活用し、運用作業計画書や運用作業報告書、証跡、レビュー記録を全て電子的に記録
  • ツール連携による自動化:チケットを更新すると連携済みのチャットツールにてレビュワーに通知される他、CI/CDの仕組みを構築し手作業でのマージ作業を解消
  • 物理機器管理の最小化:パブリッククラウドサービスを利用し、所有する物理機器はFAT端末のみとするルールを規定することで、環境の変化によるスイッチングコストを低減

これらの取り組みが今回のコロナウイルスによるテレワークでのシステム運用実現に大いに役立つことになりました。

※2クラウドファースト:クラウドサービス事業者が提供するIaaS,PaaS,SaaSサービスを活用し、単にオンプレミスをクラウドに移行しプロセスは従来どおりとするのではなく、クラウド利用を前提とした組織・文化・プロセスとすること

テレワーク移行の検討

2020年3月に入り、テレワーク実施が現実味を帯びてきたため、私たちは現状の運用作業をテレワークで実施するための検討に入りました。
下図は運用のリモート化にあたって、現在の運用に関しての「環境」「プロセス」「その他(社内ルール)」の観点で検討した項目とその実現判定、そして対応実績をまとめた資料です。

図:従来運用のテレワーク移行検討資料

図:従来運用のテレワーク移行検討資料

注目いただきたいのは「○」(変更不要)の多さです。
クラウドファーストの取り組みでご紹介したとおり、私たちは従来から手作業や紙を極力排除しておいたことで、クラウドの特徴であるインターネットさえつながればどこからでもアクセス可能となり、テレワークという大きな環境の変化に対して柔軟に対応可能となりました。

なお、移行判定が「×」の項目については、社内ルールとの整合に起因するものでしたが、全社のテレワーク実施に伴うルール改定により解決しました。

テレワーク開始後、約半年の成果と課題

私たちは2020年3月からテレワーク移行を検討し、1ヶ月後の4月によりテレワークへの移行を実現しました。
それから約半年が経過した現在の成果および課題は以下のとおりです。

成果

  • テレワーク移行検討着手から実行まで1ヶ月で実現
  • 運用作業起因でのトラブル発生0件(従来と同等の品質を維持)
  • 運用作業工数は従来と大きく変動なし

課題

  • コミュニケーション、特に従来は対面で数分話せば解決するような内容を確認しづらい

課題に対しては、ビデオ通話アプリを活用し、メンバが自由に出入り可能な場を用意しています。

最後に

本稿では従前からクラウドファーストを実現していたシステム運用を例に取り、テレワーク実施という環境の大きな変化にも柔軟に対応可能であった事例をご紹介しました。
DXが叫ばれる昨今、環境変化が著しい中で、ますます価値をより早く提供していくことが求められます。それに対してクラウドファーストを意識するということは1つの対策と考えられます。

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