NTTデータのマーケティングDXメディア『デジマイズム』に掲載されていた記事から、新規事業やデジタルマーケティング、DXに携わるみなさまの課題解決のヒントになる情報を発信します。
「横浜からイノベーションを!」取り組みに懸ける想い
左:髙木 秀昭
横浜市経済局 イノベーション都市推進部 新産業創造課長
右:大橋 直之
横浜未来機構 事務局次長
一般社団法人 横浜みなとみらい21 企画調整部 部次長・企画調整担当課長
オープンイノベーション推進担当
― まずは横浜市のオープンイノベーションの取り組みについて、お聞かせください。
髙木さん:近年横浜に来てくださる企業はグローバル企業のR&D拠点が多いのですが、どの企業もオープンイノベーション思考で、お互いにつながることを望んでいます。ただ、「ある企業がいきなり別の企業に声をかける」ということはハードルが高い場合もあるので、そこに行政が関与し、繋げていく枠組みが必要だと考えています。
2019年1月に「イノベーション都市・横浜宣言」を行うなど、横浜でのオープンイノベーションが盛り上がる中、多くのイノベーターの方々の「横浜からイノベーションを生み出そう!」という熱がどんどん高まってまいりました。そして、イノベーションを起こすために民間が主体となってさらに盛り上げていこうということで、2021年3月には推進団体として「横浜未来機構」が設立されました。
私たちのイノベーションのロゴには、「YOXO/よくぞ(YOKOHAMA CROSS OVER)」を掲げています。”CROSS OVER”が意味するとおり、組織・領域・世代を超えて連携しながらイノベーションを生み出す、というのが「イノベーション都市・横浜」としてめざし、取り組んできたことです。現在は、横浜市と横浜未来機構が連携し、イノベーション都市・横浜をますます盛り上げていこう!というスタート地点に立ったところです。
ロゴ YOXO/よくぞ(YOKOHAMA CROSS OVER)
― 横浜未来機構/YOXOはどのようなねらいや特徴があるのでしょうか?
大橋さん:技術ごとやテーマごとのプラットフォームは一般にあると思いますが、横浜未来機構では間口をできるだけ広く取ろうと考えています。いわゆる街の生活者、就業者の方々(ユーザー側)もプラットフォームに入ってきてもらえると面白いなと思っていますし、めざしていきたいですね。
髙木さん:まちづくりと結びついていることが大きな特徴のひとつですね。みなとみらいエリアに集積してきたグローバル企業のR&D拠点と、横浜関内エリアに集まり始めているスタートアップが連携することに加え、業種も世代も超えて街の皆さんや学生さんが交流することで、イノベーションを起こしているような街にしていきたいなと思っています。
大橋さん:また、実証させて欲しいという企業に対して、「フィールドを紹介してつなげてあげますよ」というだけでなく、実証後の”実装”に近づけるための確率を上げるきめ細かいサポートをしていきたいと考えています。例えば、ご協力いただく施設側にも単に貸していただくだけでなく、取り組みの価値を理解してもらうことが大切だと考えています。信頼関係のうえで「共創する」という進め方をすると、アウトプットとしても非常に価値が出てくると思います。
イノベーションを生む新たなしくみ、”アイモビ”への期待
このように、さまざまなつながりを通してイノベーションを生み出そうと挑戦する横浜市の取り組みの中で、今回は横浜オープンイノベーションEXPO2021の横浜市経済局ブースに、「日産自動車・Swap・NTTデータ3社の共創型プロジェクト”アイモビ”」が出展しました。「なぜ横浜市経済局のブースに”アイモビ”が出展したの?」と疑問を感じるかもしれませんが、横浜市と”アイモビ”それぞれが、お互いのコンセプトに共感したことからつながりが生まれ、今回の出展に至りました。
”アイモビ”のなりたちから、横浜市・みなとみらい21のみなさまとのつながりまで、詳細については以下の記事でたっぷり語っていますので、是非こちらもご一読ください!
― “アイモビ”については、どのように捉えていらっしゃいますか?
髙木さん:イノベーションにおいては、新しいことを考える人同士の「偶然の出会い」が非常に大切だと考えています。「偶然の出会い」を生む機会としては今回のEXPOのような展示場もありますが、ほかにも出会いの機会はたくさんある方が良いと思います。 そういった意味でも、新しいイノベーションが生まれるきっかけを増やしてくれるのではないか、と期待しています。是非、横浜をフィールドとして試していただきたいですし、できれば私も参加してワクワクしてみたいなと感じています。
大橋さん: “アイモビ”が掲げているように、ビジネス要素の強いガツガツした形ではなく、趣味的なものなどパーソナルな関係性を介在してつながる方が、ある意味正しい形のような気がします。そこでの「共感」というのが、重要なキーワードになってくるのではないかと思いますね。
“アイモビ“にて特徴となる体験
髙木さん:やはり「ゆるさ」が大切ですよね。自然体のコミュニケーションや居心地の良さがサービスの中で実現されると非常に面白いと思いますし、イノベーションの源泉はそういうところにあると思います。なんとなくフィーリングがバシッと合って「じゃあ一緒にやりましょう!!」と握手するような感じ。
大橋さん:今はまだ見慣れないかもしれないですが、10年後にはかなりしっくりくるサービスになるのではないでしょうか。
大橋さんが、EXPOにて”アイモビ”を紹介している様子
“アイモビ”出展ブースで感じた、人と人とのゆるやかなつながり
プレゼンテーションの様子(左:Swap 藤沢さん、右:NTTデータ 西村さん)
横浜市経済局のブースでは、”アイモビ”プロジェクトメンバーの熱がこもったプレゼンテーションが繰り広げられていました。コンセプト紹介にとどまらず、デモ(Swap社が提供するプロダクトOFFHACK®︎(オフハック))を使いながら、ブースに立ち止まった方とのクロストークが始まることも。
”アイモビ”のつながる体験を実現するOFFHACK®︎(オフハック)のデモ画面
ブースに立ち寄った来場者も、自身のスマートフォンでデモを体験できる設計となっていました。ブースのQRコードを読み取ると、”アイモビ”のつながる体験を実現するOFFHACK®︎(オフハック)が起動、 “アイモビ“プロジェクトメンバーが投稿したエピソードの一覧が表示されます。そこには「初対面でも会話のきっかけに困らない」どころか、「この話、詳しく聞きたくて仕方ない!」と思わせるようなエピソードが盛りだくさん。気になるエピソードを“アイモビ”メンバーに伝えると、投稿した本人から実際にそのエピソードを詳しく聞くことができました。
このようなデモを通して、サービスコンセプトとして掲げられている「人と人とのゆるやかなつながり」がどのように形成されるのか、実際に体験できるブース設計となっていました。
“アイモビ”プロジェクトメンバーからのメッセージ
最後に、”アイモビ”プロジェクトメンバーから、今回のEXPOへの来場お礼と今後の意気込みのメッセージをもらったので掲載させていただきます!
今回のEXPOでは多くの来場者の方にお越しいただき、サービスコンセプトに対するアンケートやインタビューにご協力いただきました。この場を借りて御礼申し上げます。ありがとうございました。
ご協力いただいた来場者のみなさまからは、“アイモビ”が提唱する、「知り合う機会の少なさや関係性を深めていく過程」に対する課題感と、その解決策として「ビジネスでのゆるやかなつながりを移動における相乗りでつくる」というコンセプトに共感いただける数多くのご意見をいただくことができました。
今後、移動はより安全・快適になり、移動中に行えることも増えていくことが予想されます。まさにエレベーターに乗るような感覚で、街を移動しながらSNSをチェックするのと同じように、他社の人と話をして”ゆるやかなつながり”を作ることができる相乗りサービスをご利用いただける日が来るよう、プロジェクトメンバー全員で取り組んでいきたいと考えています。
”アイモビ”EXPOデモスライド
イノベーション都市・横浜でビジネス相乗りするモビリティサービスの車両が実際に走り出す際は、デジマイズム読者のみなさまとも、車内空間をいっしょに過ごして、ゆるやかにつながることを楽しみにしています。
企業や個人が垣根を越えてつながり、都市も巻き込み、着実に広がっていくイノベーションの輪。「3社共創型プロジェクト”アイモビ”」×「イノベーション都市・横浜」の今後の展開に、ぜひご期待ください!
後列左から: NTTデータ 野口さん、Swap 藤沢さん、NTTデータ 田中さん、
横浜市経済局 南野さん、NTTデータ 西村さん、NTTデータ 小田さん、横浜市経済局 田長丸さん
前列左から: 日産自動車 河合さん、横浜未来機構 大橋さん、横浜市経済局 髙木さん
日産自動車×Swap×NTTデータが挑む、イノベーティブなスマートシティをうみだす”アイモビ”とは?
https://www.nttdata.com/jp/ja/trends/data-insight/2021/110190