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2020.7.20技術トレンド/展望

コロナ時代の変化を生き抜くデータ活用のすすめかた

新型コロナウイルス感染症が世界中で猛威を振るっており、企業は刻一刻と変化する状況へ対応するためデータ活用を進めている。各フェーズ(Under/Afterコロナ)で企業がとるべき具体的対策について解説する。

COVID-19により不確実性は増大し、データの重要性も増している

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界中で猛威を振るっています。日本においても緊急事態宣言は解除されましたが、東京などではまだ予断を許さない状況となっています。コロナウイルスの影響で消費者の行動は変容し、各企業も刻一刻と変化する状況への対応に追われています。このような状況下において事業の現状を正確に可視化し、次の一手を決定するためのデータの価値は高まり続けており、コロナウイルスが事業に与える影響を分析するために、各企業が必要とするデータは社内外を問わず増加する可能性があります。一方で、多角的に事業を展開している企業内にはすでに膨大なデータが散在しており、そのデータの整合性を確保し、必要なタイミングで必要な洞察を導きだせている企業は多くはありません。実に80%以上の企業でデータ運用の仕組みが全社的に整っていないとの調査もあります(※1)。では、このような不確実性の高い状況において適切なデータ活用を進めるために、どのような方策が考えられるでしょうか?本記事ではそれぞれの状況下で各企業がとるべき対策についてデータ活用の側面から考えていきたいと思います。

Underコロナは、すばやくデータ活用を進めよう

コロナウイルスが猛威をふるっている状況下(=Underコロナ)においては、例えば感染状況の変化により消費者の購買行動(数量やチャネル)は週単位で変化するため、データ収集~分析までのスピードを速め、何度も分析を繰り返すこと(=DataOps(※2))が最も重要なポイントになります。また、分析に必要となるデータの種類や量も平常時に比べて増大することが想定される上、分析に使われるシステムは高品質なものを短期間で構築する必要があります。したがって、このような状況下では、データ仮想化技術(※3)などを採用して素早くデータを収集・統合し、ETLツールなどを駆使して低コストで高品質なデータを準備しましょう。データ準備に要する時間を短くすることで、企業はデータ分析そのものにより多くの時間を割くことができるようになります。ともすれば、データを収集する際にレガシーなシステムの不自由さが目に付くかもしれませんが、この段階ではシステムの重要度やレガシー度をメモしておくことにとどめ、データを分析することに注力しましょう。

Afterコロナは、データ活用基盤を起点にして、既存システムを見直そう

Underコロナで社内外からデータを収集するにあたっては、レガシーな社内システムが足かせとなり十分にデータを集められない事態が発生した企業も多くあると思います。ワクチン等の普及によりコロナウイルスの影響が小さくなる状況(=Afterコロナ)においては、Underコロナで実施したデータ活用の取り組みを棚卸し、データ活用基盤を起点としてレガシーシステムの見直しをはかりましょう。重要なデータを生成するレガシーシステムの仕様を明確化し、アーキテクチャを見直すことで、より柔軟でアジリティの高いシステムに再構築することをおすすめします。具体的には、モノリシックな既存システムを業務単位でモジュール分割して各モジュールが疎結合な状態(=モジュラーモノリス(※4))を作り、APIを通じてデータを活用できる基盤を構築することをおすすめします。こうすることで、レガシーシステムのテーブルは業務単位で正規化され、分析者がAPIを通じて適切な単位でデータを活用できるようになります。

まとめ

今回は企業におけるデータ活用の取り組み方について、新型コロナウイルス感染症のもたらす影響の側面から解説しました。直近の危機に対しては経験豊富なデータ活用推進チームが企業の早急なデータ活用に向けてサポートを行い、危機後の社内システムの柔軟化に対してはAPモダナイゼーションチームがデータ活用推進チームと一体となってサポートを行いますので、お気軽にお問い合わせください。

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