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2023.9.13業界トレンド/展望

組織的な大規模アジャイルによる新規金融サービスの価値創出

DXの方法論として組織的なアジャイルの導入の取り組みが今後主流になる。不確実性の高い新規サービスの創出を、組織的な大規模アジャイルの取り組みを通じて実践しているOpenCanvas Atelier®の戦略や実績を通じて、組織的な変化を概観する。
目次

2023年9月:最新情報をもとに加筆・修正いたしました。

DX化を加速するアジャイルの原則とアプローチ

2021年10月にIPAが公開した「DX白書」(※1)には興味深い内容が掲載されています。DXではニーズの不確実性が高く、適用する技術も手探りの状態で推進することが多く、結果的に状況に応じた柔軟性と早い意思決定が求められます。DX白書では、これらを実現する領域をアジャイル原則とアプローチと定義しています。日本でもアジャイルを採用している事例は多く聞きますが、特に組織単位で適応するには至らない事がしばしばあります。組織全体に採用しているケースは、米国では40%~50%の全面的な採用率となっているものの、日本では僅か数%であり、各段に遅れを取っている事がわかります。特に海外ではIT部門だけなく、経営企画部門や事業部門への適用が高い採用率となっており、システム開発の領域にとらわれないアジャイルのアプローチ、つまりBusiness Agilityの導入が今後の成功にヒントになります。

図1:組織的にアジャイルの原則とアプローチを採用している割合

図1:組織的にアジャイルの原則とアプローチを採用している割合

アジャイルの原則を実施し新たな価値創出に挑戦する組織 OpenCanvas Atelier®

このアジャイルの原則とアプローチを組織的な規模で取り組むことは、ただの概念ではなく既にフレームワーク化されています。その中でも一番実績が高いフレームワークが、大規模アジャイル開発の方法論として米Scaled Agile, Inc.から提供されているScaled Agile Framework®(以下:SAFe®(※2)です。SAFe®は、アジャイル開発を中心に据えた組織的なBusiness Agility向上を目的としたフレームワークです。そしてSAFe®を適用して、金融機関のお客様に新たな価値提供を進めようとしている組織がOpenCanvas Atelier®です。OpenCanvas Atelier®はミッションクリティカル決済サービスANSER®(※3)の信頼と安心を武器にしながら、先進性・アジリティ・構想力で新たな金融の価値創出に挑戦しています。

図2:OpenCanvas Atelier?のアプローチ

図2:OpenCanvas Atelier®のアプローチ

OpenCanvas Atelier®では、「企業が従業員や、取引先、顧客、地域社会などステークホルダーの利益に配慮すべき」というステークホルダー資本主義の価値観が原動力となり、非金融を通じた金融と非金融の相互連携が今後の金融サービスのビジョンだと考えています。

図3:OpenCanvas Atelier?が捉えている金融の未来像

図3:OpenCanvas Atelier®が捉えている金融の未来像

(※2)Scaled Agile Framework®

https://www.scaledagileframework.com/

OpenCanvas Atelier®によせる熱い思い

OpenCanvas Atelier®のキーマンに組織に対する期待を語ってもらいました。

第三金融事業本部 e-ビジネス事業部 デジタル戦略室 ビジネスオーナー 島村 純平

第三金融事業本部 e-ビジネス事業部 デジタル戦略室 ビジネスオーナー
島村 純平

OpenCanvas Atelier®は、先進的なサービスを超高速Agileにて、企画構想から開発しサービス提供を実現することを目的に2021年4月に創設しました。
当事業部が提供するミッションクリティカル決済サービスANSER®を、よりスピーディーに、より創造的に、魅力があるサービスへと進化させていくエンジンがOpenCanvas Atelier®です。ANSER®がこれまで培ってきた社会インフラサービスとしての安心安全なサービスを軸にOpenCanvas Atelier®の先進的なアジリティを掛け合わせることで、より豊かで調和のとれた社会の実現に貢献していきます。

第三金融事業本部 e-ビジネス事業部 デジタル戦略室 ビジネスオーナー 古谷 仁志

第三金融事業本部 e-ビジネス事業部 デジタル戦略室
ビジネスオーナー
古谷 仁志

OpenCanvas Atelier®は自らが感じる社会課題をビジネスアジリティ高く解決していく場と考えています。
そのため、大規模アジャイルフレームワークであるSAFe®のマインドセットを踏襲し、スクラムメンバに裁量権を与え、フラットな組織として共通のゴールを目指すことをOpenCanvas Atelier®のポリシーに組み込んでいます。
サービスデザイン/製版一体/DevOps/先進技術と求められることも多いですが、各活動を支える専門性を持ったメンバーも多数います。
お客様と協創し、お客様へ継続的に価値を提供するサービスを多数創出していく組織であり続けます。

OpenCanvas Atelier®の取り組みと創出した金融 PaaS, SaaS

OpenCanvas Atelier®は既に多数のお客様とビジネス創出(協創)の取り組みを行っています。そこで実際に協創活動を行っているサービスデザイナーに取り組みについて語ってもらいました。

お客様とのサービス創発ワークショップ開催

第三金融事業本部 e-ビジネス事業部 デジタル戦略室 サービスデザイナー 佐賀 史織

第三金融事業本部 e-ビジネス事業部 デジタル戦略室
サービスデザイナー
佐賀 史織

お客様とNTTデータの強みを生かした、共創活動に取り組んでいます。お客様が注力するテーマを設定し、サービスデザインプロセスを活用して、エンドユーザー・お客様・NTTデータ三者の視点で新規ビジネスアイデアの創発を行います。
具体的には、ユーザー理解・課題の明確化・アイデア創発のプロセスを1~2日で実施するプログラムをご用意しています。お客様のご要望に合わせたアレンジも可能です。
新規ビジネス創出だけでなく、サービスデザインプロセスの経験を目的とした育成観点からも、金融機関のお客様にご好評をいただいています。

アイデア創発ワークショップの様子

アイデア創発ワークショップの様子

新規サービスの具現化

サービス企画~開発のプロセスにおいて、お客様と共にサービスの具現化を行っています。仮説立案とユーザーへの検証を繰り返し行うことで、リリース前にサービスの価値・UI/UXのブラッシュアップを行っています。
お客様と共にプロセスを実行することで、お客様業務の理解促進や、お客様のエンドユーザー接点を活かした効率的なユーザー検証に寄与することができています。
過去プロジェクトをご一緒した金融機関のお客様からは、スピード感のあるプロセス進行と、アウトプットの内容についてご好評をいただいています。

アウトプットの一例

アウトプットの一例

また、OpenCanvas Atelier®は既に金融サービスのプロダクトを提供しています。そこで各金融サービスのプロダクトオーナーに取り組みについて語ってもらいました。

ColorFruit™

第三金融事業本部 e-ビジネス事業部 デジタル戦略室 プロダクトオーナー 柳田 竣哉

第三金融事業本部 e-ビジネス事業部 デジタル戦略室
プロダクトオーナー
柳田 竣哉

「ColorFruit™」は、既存の顧客接点サービス(顧客向けポータルサイト/バンキングアプリ等)からシームレスかつセキュアに、商談・契約を非対面で完結できることができるサービスです。
本サービスはOpenCanvas Atelier®での1st Scrum開発プロジェクトとして立ち上がり、金融分野に求められる品質を確保しつつ、アジリティ高く継続的にお客様に価値を届けるため、開発プロセスとサービスを支える基盤の刷新に取り組んできました。
その結果、「お客様に試作品を利用していただき直接対話をしながらUI/UXを改善する」、「CI/CDにより高頻度に商用ソフトウェアをリリースする」など様々な新しい仕組みが実現できています。 以下で製品のコンセプトを紹介した動画を公開しています。

OpenCanvas Atelier®が目指す金融サービスの未来像

DX技術進歩が急速に進む中、我々は金融機関を中心としたお客様やその先のエンドユーザー様に対して、新しい価値を届け、より豊かな社会創りに貢献していきます。我々には既存サービス(ANSER®)という強みがありますが、それにとらわれることなく、まずはユーザーセントリックに考え、DX技術を活用してお客様にとって真に必要なサービスを共創し、マイクロサービスとして汎化することでより多くのお客様に届けていきます。OpenCanvas Atelier®は多種多様な人財とともに、SAFe®を組織運営のベースとしてDX技術を早期に導入することで新しいサービスを創出していますが、創出したマイクロサービスを組み合わせてまた新しい価値を生むようなサイクルを回し、独自性をもった事業展開を目指します。

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