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2023.7.19技術トレンド/展望

グローバルクラウド人財の育成とスキル向上施策

クラウド市場の中でも注目されている「エンドツーエンド(End-to-End)」。お客さまのビジネスを成功させるために、クラウドを有効活用するには、エンドツーエンドで、フルライフサイクルにアセット化する高度なスキルが求められる。この記事ではNTTデータがハイスキルなクラウド人財をグローバルレベルで如何に迎え入れているか、そして多様な人財にどうスキルアップできる環境を整えているか、紹介する。
目次

以前のDATA INSIGHTでは、新たな「エンドツーエンド」マーケットを解説し、クラウド人財の育成とテクノロジーアセットの両軸においての取り組みを紹介しました。本稿では特に、NTTデータのクラウド人財にフォーカスを当てて全体像を紹介します。

1.グローバルで数万人のクラウド人財を育成中!

NTTデータは近年グローバルビジネスを拡大し、2021年度末時点で世界55か国、208の都市をカバーしています。(※1)2022年10月には、NTT Ltdを含め、NTTグループの海外事業を統合し、従業員数は、のべ18万人に及んでいます。(※2)

特にクラウドはデジタルトランスフォーメーションを実現するための、ベースとして用いられる技術であり、旺盛な需要に合わせ、AWS/Azure/GCPといったハイパースケーラーのクラウドベンダ技術者及びマルチクラウドを扱える人材を2025年までに数万人規模で育成・デリバリー展開する計画を進めています。

NTTデータのクラウドに関する取り組みはこちら
https://www.nttdata.com/jp/ja/services/cloud/

(※1)NTTデータのグローバルなクラウドの取り組み紹介

https://news.mynavi.jp/techplus/kikaku/nttdata_business-1/

(※2)ITサービス競争力強化に向け海外事業を統合

https://www.nttdata.com/global/ja/-/media/nttdataglobal-ja/files/news/release/2022/050900/050900-01.pdf

2.クラウド人財がスキルアップできる環境

クラウド人財として、スキルアップできる環境も整っています。

当然エンジニアによってスキルレベルのばらつきはあり、上級レベルに位置付けられるクラスや、ジュニアに相当するクラスなど様々です。NTTデータではクラウドエンジニアのレベルをBlack/Green/Yellow/Whiteの4段階に分類し、それぞれ必要なスキルレベルの要件を定義しています。これにより各国のレベルの考え方のばらつきを抑制して、統一的な基準のもと、安定してエンジニアが世界で活躍できる環境を整備しています。

また、エンドツーエンドのフルライフサイクル開発に適応可能なよう、特定のフェーズに特化したスキルセットを持つエンジニア集団を組織しています。一例として、NTTデータのこれまでの開発における知見を活かして運用面に特化した技能をもつSREチームなどスペシャリストも育成しています。(※3)

人財育成の観点では、このようにエンジニアのレベルに応じて、人財育成の考え方やフォローアップの仕方を工夫しています。なお具体的な内容は各国グループ各社の人財育成施策に基本的に委ねるかたちになっています。

(※3)NTTデータが目指すハイブリッドクラウドマネージド

https://www.nttdata.com/jp/ja/data-insight/2022/0607/

3.楽しんで学べるグローバルのコミュニティ活動も!

より上位レベルのBlack Beltエンジニアに対しては、案件や先進的な技術ユースケース事例を共有したりするコミュニティを組織しています。NTTデータでは、これまでCAC(Cloud Architect Community)(※4)とよばれるもので、社内外の高い認知をもつエキスパートレベルの人財の輩出し、その活動を支援してきました。

近年はこれをグローバルレベルに拡大してGlobal CACを組織し、ミートアップなど通じて各国間でのコラボレーションを強化しています。(※5)Global CACでは、信頼関係の醸成のため、年に一度は必ず、各国からメンバーが集合し、NTTデータが考えるべきクラウド技術の方向性や後進育成のために何をすべきか、エキスパートたちが体当たりで議論することを重要視しています。

一方で、よりジュニアレベルに近いWhite beltエンジニアを中心に対して、そもそもクラウド技術をというものを継続的に楽しんで学んでもらえるよう、ハイパースケーラーのクラウドベンダとも協力して、トラブルシューティングイベントを定期的にグローバルで開催しています。 例えば、世界No1のクラウドプラットフォームシェアを持つAWSのトラブルシューティング力を鍛えるAWS GamedayやAWS JamをAWS社と共同で個社向けにアレンジし、世界各国混成でチームを組んで、競争イベントを実施しています。(※6)

楽しんでクラウド技術を学べることに加え、世界各国のエンジニアと英語を使ってコミュニケーションをとりながらチーム戦を行わないといけないので、国内業務が中心の参加者からは、グローバルカンパニーとしての実感を得られるよい機会とのフィードバックをもらっています。

(※4)クラウド人材1万人の育成に向けた取り組み

https://www.nttdata.com/jp/ja/data-insight/2020/1029/

(※5)Global CAC:国際的なクラウドエンジニアが築く価値と知恵の交換

https://news.mynavi.jp/techplus/kikaku/nttdata_jinzai-5/

(※6)NTT Data GameDay 2022 報告レポート

https://news.mynavi.jp/techplus/kikaku/nttdata_jinzai-1/

4.グローバル人財活用に不可欠なダイバーシティにも考慮

NTTデータではグローバルをまたいで、お客さまのビジネスの成功をサポートするために、クラウド技術力やコミュニケーション力を強化する施策を断続的に行っていますが、グローバルに活動することで新たに直面する課題もあります。

例えば、欧州の環境に対する意識の高さから生じるSDGsといったサステナビリティ関連のニーズの違いなど、地域ごとに特化した事情の考慮しながら、アセットや人的リソースの展開戦略を検討することもあります。特に、人財育成・活用・コラボレーション・リテンションの観点から、より重要なことは多様性(ダイバーシティ)に対する配慮です。近年、ダイバーシティに対しての取り組みが重要なことは言うまでもありませんが、グローバルに活動すると、仕事に対する考え方や進め方など、必然的に多様な考え方をもつ人々と活動を共にします。ここで、重要なことは「マイノリティを生み出さないために、どのように相互に助け合い、信頼して協力し合うか」を実現することです。

筆者は、上記のようなイベントの開催や、GCACコミュニティをリードする活動、上級アーキテクトとして、グローバルな開発プロジェクトへの参画などもしていますが、たびたび英語のコミュニケーションで苦戦します。そのときに痛感することは、「誰しも環境や従事する活動でマイノリティになる可能性がある」ということです。日本人や英語がネイティブ言語ではないエンジニアは、英語のスピーキングが必ずしも得意でない人も多くいますが、そんな人々にとって、「状況が分からない&誰も十分なサポートがない」ために取り残される状況が往々にして発生します。

そのため、グローバルな活動の中で、私たちが主催するイベントを開催する際は、私の挨拶プレゼンテーションで必ず関係者に、以下のようなことを守るよう、最初にお願いしています。

  • 1.“Help each other ” Culture. We always have possibility to be minority.
    (お互い助け合う文化をもとう、私たちはだれしもマイノリティになる可能性がある)
  • 2.No criticism. Feel other people’s feelings.
    (批判はやめよう、相手の気持ちを考えて)
  • 3.Say Thank you. Imagine other people’s efforts.
    (「ありがとう」を言おう、相手の努力を想像して)

上記の取り組みは多様性に配慮するための一例ですが、グローバル活動で信頼感を醸成するために、他者尊重することが、最も基本的かつ重要な根幹であることは間違いありません。 このような価値観は、エンジニアのみならず、NTTデータグループ社員全員が心理的安全性を確保しながら、安心して働く環境にもつながると信じています。NTTデータグループでは、日本を本社とするグローバル企業として、このように世界各国拠点に分散しながらも、重要な価値観を共有し、相互に協力・共創して、お客さまを支援する体制を構築しています。

NTTデータのクラウド人財に興味を持っていただいた方、ぜひこちらから募集を確認してみてください
https://www.nttdata.com/jp/ja/recruit/careers/

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