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1.エンドツーエンドのクラウド開発を成功に導くアセット「Cloud IaC」
複雑かつ多岐に渡るクラウドサービスを適切に活用しつつ、ビジネス成果を最大化させる「エンドツーエンド」への期待が高まっています。クラウド市場でのニーズは、単にクラウドを利用するのではなく、ビジネス成果を最大化するためにどのようにクラウドを活用するかというニーズへ変化しているのです。
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エンドツーエンドでは、クラウドシステム開発のすべての工程(コンサルティング、開発、運用、移行など)にかかわります。各工程を個別に支える技術はすでに多数存在しますが、ビジネス成果獲得を目的とするエンドツーエンドでは、これらそれぞれの工程を高速化、高品質化、省人化していくことが求められます。
そのためにNTT DATAが用意しているテクノロジーアセットが「Cloud IaC」です。
図1:Cloud IaCの全体像
「Cloud IaC」は、一言でいうと「設計テンプレートと開発ツール」です。
標準的なアーキテクチャを自動構築するIaC(※1)ツールセットを核として、ベストプラクティスに基づく設計ドキュメントやテスト項目、成功体験に基づく事例集、さらには運用行程を高度化する技術検証結果などの要素を含むアセットの集合体です。
図1のとおり、Cloud IaCには
Horizontal Template:業界に依らないクラウド利活用のためのテンプレート集と、
Industrial Template:業界ごとのクラウド利活用のためのテンプレート集の2種類があります。本稿ではラインナップが充実し、広く利用が進んでいる「Horizontal Template」について紹介します。
あらゆる業界で共通で利用可能な「Horizontal Template」は、クラウド開発における提案、設計・開発、運用の各フェーズに対応したアセットを以下のとおり提供しています。
Horizontal Template:業界に依らないクラウド利活用のためのテンプレート集
- Architecture Bank:お客さまへのアーキテクチャ提案の成功体験集
- Implementation Template:標準アーキテクチャに基づく設計・構築テンプレート
- Operation Template:運用の設計・構築テンプレート
次章からは、それぞれについて簡単に紹介します。
Infrastructure as Codeの略であり、ITインフラをコードとして記述し構成管理することで自動化する方法を指す。
2.提案を成功に導く「Architecture Bank」
図2:Architecture Bankのイメージ
NTT DATA全体の案件事例や、成功実績のある実例ベースでのクラウドアーキテクチャを集約し、即座に知識を共有できるアセットが、「Architecture Bank」です。さまざまなクラウドベンダーの情報や技術要素、業界の成功事例がカタログとして集約されています。
提供しているカタログの例
- データレイク基盤
- データ分析基盤
- API管理基盤
- IoTデータ収集基盤
この「Architecture Bank」よって、スピーディーにお客さまが実現したい姿を提案でき、品質確保・工数削減にも貢献できるようになりました。
3.設計・開発を成功に導く「Implementation Template」
図3:Implementation Templateのイメージ
NTT DATAでは、Amazon Web ServicesやMicrosoft Azure、Google Cloudといった主要なクラウドサービスのデザインパターン(※2)に対する、リファレンスアーキテクチャ(※3)や成果物のテンプレート、そして成果物からIaCを実装するためのツールやガイドラインを取り揃えています。
この、リファレンスアーキテクチャと成果物のテンプレートが「Implementation Template」です。「Implementation Template」には、システム構成、設計書、環境定義書、試験項目書といったクラウド開発のプロジェクトで作成する各フェーズのドキュメントが、実際のプロジェクトで適用可能な設定値を記載した状態で用意されています。
また、この設計内容は「IaC Tool Set」を利用することで、試験済みの環境を高品質で即座に構築することができる状態となっています。
これらのアセット「Implementation Template」と「IaC Tool Set」を利用することで、高い品質でクラウド開発をスピーディーに実現することができ、開発作業工数の削減が実現可能となりました。
デザインパターンはベストプラクティスとして各クラウドサービスが提供している構成パターンを指します。
リファレンスアーキテクチャはシステムを構成する製品やサービスの推奨構成や統合方法を示すドキュメント類を指します。
4.運用を成功に導く「Operation Template」
図4:Operation Templateのイメージ
クラウドシステム開発で運用を考える際に、既存システムとの共存など、オンプレとクラウドのハイブリッド構成が多くなり、複雑で俗人化したプロセスの運用となってしまうケースがよく見られます。
NTT DATAでは、さまざまなシステムを運用し続けてきたノウハウを集約し、最適な運用機能を提供するアセット「Operation Template」を整備しています。
「Operation Template」では、各運用ユースケースを標準化・テンプレート化したものをアプリケーションとして提供し、このアプリケーションには、監視無人化やセキュリティ観点など、クラウド運用に必要不可欠なパッケージが具備されています。
お客さまのクラウド環境の運用高度化を実現できるのです。
5.今後の展望
本稿では、NTT DATAが持つ数多くのクラウド開発プロジェクトで得られたノウハウを一元的に取りまとめたテクノロジーアセット「Cloud IaC」について紹介しました。
「Horizontal Template」はすでに多くの適用事例があります。2022年度は150以上のプロジェクトに適用し成功しました。また、新規ビジネスを高速に提供するため、業界を軸に汎用化したアセットの集合体である「Industrial Template」も順次整備しています。
このように、グローバルを含めたグループ全体の最新のクラウド開発テクノロジーを集結することで、NTT DATAはあらゆる業界のお客さまの事業変革を実現していきます。
NTT DATAが考えるハイブリッドクラウドマネージドに関するホワイトペーパーはこちら:
https://www.nttdata.com/jp/ja/-/media/nttdatajapan/files/services/cloud/whitepaper_cloudstrategy_jp.pdf
NTT DATAが提供するテクノロジーコンサルティングサービスの詳細はこちら:
https://www.nttdata.com/jp/ja/services/technology-consulting/
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https://www.nttdata.com/jp/ja/data-insight/2023/0622/