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1.未来を描く:Dynamic Infinityプロジェクト概要
20年ぶりに日本で開催される万博には、世界各地から英知が集まり、地球規模の課題に取り組む場となります。NTTグループも万博会場でパビリオンを出展し、未来を示すショーケースを展示します。今回、NTTはその開催に先駆け、研究開発技術が切り開く未来社会の可能性を体感できるオンラインコンテンツ『Dynamic Infinity (ダイナミックインフィニティ)』を公開しました。このコンテンツは生成AIを用いたウェブアプリです。ユーザーは21種類の未来シナリオから選び、その選択に応じて生成AIが一人ひとり異なる未来社会のビジョンを3D画像として生成します。さらに、他のユーザーの未来ビジョンと組み合わせて、新たなビジョンを創り出すこともできる体験型のコンテンツです。
当社はTangity®(※)を中心にプロジェクトをリードし、イタリアと日本の拠点からデザイナー、テクノロジスト、エンジニアといった専門家が集結し、テクノロジーとデザインを融合させ、先進的なエンターテインメント体験を創り出しました。

図1:Dynamic Infinityのイメージビジュアル
2.プロモーションコンセプトの策定から体験設計、実装まで
フェーズ1:コンセプト策定
初期フェーズでは、プロモーションの目的やターゲット、コンセプトの具体化に取り組みました。NTTの万博出展の背景やテーマに共感し、理解を深めるためのリサーチやアイディエーションを行い、NTTの万博に向けた取り組みを幅広い世代や地域の人々に訴求する施策を立案しました。具体的には、NTTの万博担当チームとの3日間のワークショップを通じて、プロモーションコンセプトを定め、ビジュアルやショートムービーなどの形で言語化・可視化しました。

図2:イタリアのミラノで実施したワークショップなど
フェーズ2:体験設計
次に、「体験設計」フェーズでは、NTTの技術や万博を通じて発信したいメッセージを反映させ、多くの人を魅了するキャッチーで視覚的に理解しやすい体験を設計しました。ユーザーが単なる観客ではなく、物語の主人公となれる参加型の体験を意識したほか、世界中の人々の作品を自由に探索したり、自分の作品をSNSでシェアしたりと、周りの人も巻き込んで一緒に楽しめる仕組みを作りました。 具体的には、ペルソナやストーリーボードを用いて体験のシナリオを作成し、デザインツールのFigmaやショートムービー制作を通じてビジュアライズしました。また、ターゲットユーザーに合わせたプロモーション戦略も策定しました。

図3:Figmaを活用したUX-UIデザインと実装の過程
フェーズ3:実装
最後に、「実装」フェーズでは、体験設計時の世界観を維持しつつ、フロントエンドとバックエンドの実装を行いました。著作物の模倣にも配慮した上で、生成AIのプロンプト生成や360度画像生成のためのAIツールも導入されました。日本とイタリアのスタジオが連携し、ユーザビリティテストを通じてUX/UIの改良を重ねました。
このDynamic Infinityを2025年1月にオンラインで先行リリースしました。多くの人々にテクノロジーを使って「未来を描き、創る」体験をしてもらうことも目指しています。オンラインだけではなく、今春には、NTTグループの2つの海外拠点(イタリア・ミラノにあるNTTデータ イタリアの本社、サンフランシスコ・シリコンバレーにあるNTTのショールーム「NTT Experience Center」)にDynamic Infinityのインスタレーションを公開し、オンラインと対面の両方の体験を提供します。さらに、夢洲の万博会場内のNTTパビリオンのVIPショーケーシングラウンジにも特別展示を設けることにより、NTTグループの万博出展についてプロモーションを強化します。

図4:対面のインスタレーションのイメージ図
3.国・地域の垣根を超えたデザインの実現 - グローバルネットワーク活用
NTTデータの強みは、グローバルなネットワークを活用した多様な視点とスキルの結集にあります。そのひとつに今回ご紹介したCX&デザインのグローバルネットワークがあり、海外拠点との連携により、高品質なコンテンツを迅速に開発し、地域や文化を超えた共感を呼ぶデザインを実現しています。
1.国・地域を超えた多様な視点の提示
サービスや体験が世界中の人々に利用されることを踏まえると、国・地域を超えて多種多様な意見を集めることが重要です。私たちはこのプロジェクトの初期段階からヨーロッパやアメリカ、中国などの各国のデザインスタジオから意見を収集し、グローバルレベルでの多様な視点を集め、コンセプトの評価と改善に活かしました。
2.文化的包括性を持つデザインの追求
サービス&UXデザイン、ビジュアルデザイン、コンテンツデザイン、モーションデザイン等の幅広い経歴をもつデザイナーやエンジニアの手によって、特定の文化やジェンダーに偏ることなく、誰もが親しみやすいニュートラルな世界観を目指しました。具体的には以下の点にこだわって作り込みを行っています。
- 普遍的で未来志向な立体感のあるビジュアルデザイン
- 言語の壁を超える視聴覚的なストーリーテリング
- 没入感を高めるサウンドデザイン(BGMやインタラクション音)
- 直感的な操作で没入感を味わえるインターフェース
今回の事例はNTTグループ内のものですが、Tangityは、社外のお客さまにもデザインコンサルティング支援を提供しています。NTTデータは、デザインとテクノロジー、ビジネスを組み合わせ、そのポテンシャルを最大限に発揮させることで、ユーザー体験の向上とビジネス価値の最大化を目指し、お客さまの変革を支援していきます。
Dynamic Infinityについてはこちら:
https://dynamicinfinity.global.ntt/
2025年大阪・関西万博 NTTオリジナルコンテンツ 『Dynamic Infinity』公開のお知らせについてはこちら:
https://group.ntt/jp/expo2025/topics/250123.html
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