起床後から家を出るまでの行動パターンは大体決まっているのに、帰宅後から就寝までの行動パターンは毎日バラバラ・・・という方は多いのではないでしょうか。
食事、入浴、リラックスタイムと、就床までの大まかな行動パターンを決めておくことで、眠りに向かう準備が整いやすくなります。
実は、良い眠りへの準備は仕事帰りの電車の中でもう既に始まっているのです。
帰りの電車で座れるとついウトウトしてしまう方も少なくないと思いますが、15時以降に眠ってしまうと夜の主睡眠の妨げになるためNG。帰宅時の電車の中の移動時間は眠る時間ではなく、今夜のいい眠りや翌日のパフォーマンスにつながる有効的な時間として活用することが望ましいでしょう。
例えば、就寝直前にスマートフォンの起床アラームを設定している人は、電車移動中にするべきです。何故なら、就寝直前にスマートフォンの画面から発せられるブルーライトを浴びると質の高い眠りが妨げられるからです。メッセージの返信や、SNSのチェックも必要であればこの時間帯に行い、帰宅後はなるべくスマートフォンと距離をおきましょう。もしも仕事の終わりの気分転換にゲームをするのが日課になっている方がいる場合は、やはりこの時間帯がおすすめ。帰宅後、自宅でゲームをやり始めると、ついついエンドレスに続いてしまい就床時刻があっという間に後ろにずれて睡眠時間が圧迫されてしまいますが、電車の中であれば降りる駅が決まっている分、「今日はここまで!」と自分を自制することができます。また、電車の中を図書館として活用し、じっくり本を読んだり、翌日の仕事に役立つ情報を頭にインプットしたりするのも賢い時間の使い方ですね。
夕食は就寝3時間前程度が理想なので、帰宅後はまず食事を済ませ、就寝1時間前になったら入浴時間にしましょう。
入浴には、「皮膚を清潔にし、新陳代謝をうながす」「からだをあたためて血液やリンパの循環をうながす」「心身の疲労や緊張をとく」という3つの役割があり、入浴は快眠に直結する大切な習慣です。ただし、快眠促進のための入浴法にはルールがあります。1つ目は「38~40度というぬるめの温度であるということ」、2つ目は「20分程度の入浴時間であるということ」、そして3つ目は「全身浴であるということ」。
この3つのルールに従うことで交感神経の興奮を沈めて副交感神経が優位にし、気持ちが鎮静化に向かっていきます。ぬるめのお湯では体が温まりにくいと思われるかもしれませんが、実は熱めのお湯につかったときよりも、ぬるめのお湯で長めにじっくり浸かったときのほうが湯冷めしにくいことが指摘されています。
身体をじっくりと温めることで深部体温は0.1度ほど上昇するといわれており、この軽く上がった体温が就寝に向けて下降することで、とてもスムーズに睡眠モードへと移行することが叶うのです。もしも、熱いお湯でないと入浴した気分が味わえないという方は、就寝2時間以上前に入るようにしてください。熱いお湯での入浴は心拍数、血圧、発汗量を上げ、激しい運動をしたときと同様に交感神経を優位にしてしまいます。けれど、早めに入っておくことで、就床するまでには身体も落ち着き、おやすみモードに切り替える時間をもつことができます。
夜のリラックスタイムには光の刺激やネガティブな情報を避けることも重要です。暗いニュースや感情が揺さぶられるようなSNS情報には極力触れないこと。そして、空間の照明はやや暗めの暖色系に切り替えることで睡眠モードへと移行しやすくなります。
就寝に向かう時間割を組むことで、身体のリズムも整いやすくなり、睡眠の質もぐっと高まりますよ!
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