デジタルデータの爆発的な増大を受けて、それぞれの企業がデータ活用、DXへの動きを本格化しつつあります。しかし、一歩を踏み出そうとすると壁に直面してしまう、具体的な踏み出し方が分からない・・・そんな悩みを抱える企業は少なくないと思います。
背景にはいくつかの課題があります。第1に、DXを推進する組織・人材の不足。第2に、費用対効果が見えにくいために、投資に踏み切れないケース。第3に、データアナリスト不足。そして第4に、データの量と質、精度などの問題があります。とはいえ、課題意識は確実に高まっており、これらの課題を克服して本格的なDXの実践、さらには事業の成長につなげる、という経営の意志を明確に打ち出す企業が増えています。
DXのカギを握るのがデータです。特に近年は、非構造化データに着目する企業が増えています。非構造化データとは、写真、動画、音声、SNS投稿、テキストなどのように、データ本体が意味を持ち、定型的に扱うことができないデータのことです。そのデータ量は急カーブで増大しています。従来は、もっぱら構造化データが活用対象と考えられてきました。非構造化データの活用には、技術的なハードルがありましたが、最近はテクノロジーの進化もあり、非構造化データを効率よく分析したり、必要のデータを抽出したりすることが容易になりつつあります。また、RDBで管理されているデータは構造化データと言えますが、その中にもテキスト文のような非構造化データが含まれており、これらの「未活用データ」をどう活用するかがとても重要な課題です。
データから価値を取り出し、企業の競争力向上につなげることがまさしく「データ活用経営」となります。
社内外の多種多様なデータをいかに活用し、経営判断やビジネスの成長に役立てるか。こうしたテーマに向き合い、データ活用経営を一気通貫でサポートするためにNTTデータは「ABLER™(エーブラー)」(※1)というブランドを立ち上げました。ABLERのキーワードは“Data to Intelligence”です。様々なデータからビジネスに貢献するインテリジェンスを提供し、データの経営資源化を実現します。図1のように、身近な業務で困っていること、課題に感じていること、そういった所からデータ活用を進めるご支援の例もありますし、構造化データと非構造化データを横断して分析・活用し、新たな価値を生み出そうとするお客様を戦略検討からご支援する例もあり、システムづくりの前段階におけるデータ活用の戦略検討、システムをつくった後の実運用での価値創出を含めて、ABLERを通じてトータルにお客様をサポートしています。
図1:業務課題とABLERで提供した解決策(例)
データ活用の分野では、新しい要素技術が次々に登場しています。その成果をいち早く取り込みつつ、ABLERをさらに進化させ、お客様のデータ活用経営のパートナーとして様々な価値をご提供していきます。
図2:データ活用による目指すビジネス像