NTTデータのマーケティングDXメディア『デジマイズム』に掲載されていた記事から、新規事業やデジタルマーケティング、DXに携わるみなさまの課題解決のヒントになる情報を発信します。
これからの良質な顧客体験価値創出は”B with C”が前提に
まず、ウェビナー最初のコンテンツとして、当社にてデジタルマーケティング戦略を牽引する内藤さんより、「生活者と企業が共生する時代へ~NTTデータがデジタルで実現する世界~」と題した講演を行いました。
この後登壇する石神さまからも大きな共感をいただいたという本講演では、「良質な顧客体験価値を提供する企業が生活者に支持される」という前提を踏まえ、「これからはB to CではなくB with C、すなわち企業(人)と生活者(人)が共生していく時代になる」との未来像を示しました。
そして、B with Cの時代の大切な要素の一つとして、「情緒的価値&機能的価値の掛け合わせから独自の体験価値を提供することが重要」であると語り、それを実践する企業として、当社がご支援させていただいているJR西日本SC開発さまの取り組み紹介へとバトンタッチしました。
なお、本講演の詳しい内容については、「NTT DATA Innovation Conference 2021」のイベントレポートをご参考ください。
JR西日本Gのショッピングセンターにおける顧客基盤統合とデジタル活用の未来
そして今回のメインセッション。石神さまをお迎えし、過去に取り組まれた顧客基盤統合の成果とショッピングセンター(以下SC)における今後のあるべき姿についてご説明いただきました。
13あるSCの顧客基盤を統合した成果とは
まずこれまでの取り組みとして、顧客基盤統合の成果をご紹介いただきました。JR西日本SC開発さまでは、お客さまの行動変容などの環境変化に今後も対応していくため、顧客エンゲージメント向上を支えるための顧客基盤の統合を2019 年に行ったとのこと。
元々は13あるSCがそれぞれの土地柄や顧客層にあった個別の施策を行っていた状況でしたが、顧客基盤の統合によってグループとしての共通施策による顧客エンゲージメント強化ができるようになり、商圏単位の局地戦からチェーンとしての競争力を活かしたこれまで以上に効果的なアプローチを実現できるようになったとのことです。
具体的には、グループのポイントカードをアプリでまとめることによって、
- 統合アプリでありながら個々のSCとしての接点も獲得できるようになった
(各SCでアプリを構築しなくともお客さまとの新たな接点を設けられるようになった) - グループ・各SC双方から見て、施策展開のコストパフォーマンスが向上できた
と言ったさまざまな成果を得られたそうです。
さらに、もうひとつの大きな成果としては、これまで実現できそうでできなかった、各SCを横断した施策や複数のSCに実際に足を運んでいただいて回遊いただく施策を、購買データとリアルタイムで連携してアプリ内で実現できた点です。アプリでは、イベントの参加状況・行動に併せてリコメンドする内容や店舗が機械学習されており、来店機会の創出といった成果につなげています。
その具体的な取り組みのひとつとして、デジマイズムでも以前インタビューさせていただいた各SC横断のスタンプラリー企画について、ご紹介いただきました。
JR西日本SC開発様 顧客企業の成長に寄り添う 可変性の高いソリューション(CAFIS Explorer)
https://www.nttdata.com/jp/ja/trends/data-insight/2020/012190
そして、こうした顧客施策をスピーディーに実現できたのは、当社ソリューションCAFIS Explorer®の多様なAPI活用が背景にあったとのこと。SC運営側のやりたいことが、お客さまの反応を見ながらアジャイル的にブラッシュアップできていることも大きな成果とのことです。
デジタル施策を活用してSCがめざす未来
続いて、SCにおける今後のあるべき姿についてもご説明いただきました。
お客さま・テナントどちらもデジタル化が進み、リアルな場を主戦場とするSCにとって脅威となっている状況において、SCは商圏におけるお客さまとテナントをつなぐローカルプラットフォーマービジネスとして商品やテナントの存在だけでは得られない顧客体験価値を提供することが重要とのこと。元々SCは、地域社会との共生によって生まれて来たビジネスであるため、ローカル志向をもっている強みを生かしながら、オンライン手段を活用して顧客体験価値を向上させていくことが、今後のSCの未来を左右するカギである」と、石神さまは説きました。
その実践例として、共感・体験を生む「情緒的価値」と手段としての「機能的価値」、そしてSCの価値を掛け合わせることで、来店機会の創出を実現したルクア大阪の事例をご紹介いただきました。
ルクア大阪ではファッションを軸に、「お客さまの悩み」を見つけ、「楽しく解決」することをめざしたとのこと。主要なお客さまである女性の気持ちに寄り添うことをテーマに、インスタグラムを活用してお客さまから共感いただけるようなコンテンツを作り、来店機会へと繋げる取り組みをされています。
加えて、石神さまはこれからのSCは、お客さまが「買うことを意識していない段階」と「買うことを意識する段階」において、お客さまの琴線に触れ、行動へと移していただけることが重要との考えを示しました。
現状(リアルな場)のSCにおいては、前者はマーチャンダイジングやゾーニングで、後者は販売員の接客・提案で対応している状況ですが、このような空間をオンライン上にも構築することがSCにおけるOMOではないかと石神さまは考え、その実現に向けて取り組まれているとのことです。
JR西日本GのSCデジタル化を支えるCAFIS Explorer®とは
石神さまのこれまでの取り組み、そして今後の未来をご説明いただいた後、その実現を支えてきた当社ソリューションCAFIS Explorer®のご紹介を最後に行いました。
CAFIS Explorer®はポイントプログラムを軸としたデジタル施策を支える、ロイヤリティマネジメントのソリューションです。
本ウェビナーでも触れた、お客さまのワクワクや楽しいというポジティブな感情―情緒的価値と、便利な体験―機能的価値をデジタル施策の面から支えるSaaS型のソリューションです。お客さまをより深く理解し、より良い体験を提供することによって、お客さまとの繋がりをさらに強くしたいとお考えの企業のみなさまにご活用いただけます。
本ウェビナーでご紹介したJR西日本SC開発さまのみならず、さまざまな導入・活用実績がございますので、本記事で興味をお持ちになった方はぜひお気軽にお問い合わせください。
ロイヤリティマネジメントサービスCAFIS Explorer®
https://www.nttdata.com/jp/ja/lineup/cafis_explorer/
【イベントレポート】コロナ禍でも良質な顧客体験を生みだす”3つの鍵”とは?
https://www.nttdata.com/jp/ja/trends/data-insight/2021/021290