レセプト情報・特定健診等情報データベース分析支援サービス

調査・研究を支援するコンサルティング&受託解析サービス

商品概要

レセプト情報・特定健診等情報データベース(ナショナルデータベース)を用いた調査・研究を支援するコンサルティング&受託解析サービス(有料)です。
ナショナルデータベースの利用申請前の研究デザインから集計や統計解析、論文作成までの全てのプロセスをオンデマンドにご支援可能です。さらに、ナショナルデータベースと要介護認定情報・介護レセプト等情報データベース(介護DB)や匿名診療等関連情報データベース(DPC-DB)との連結解析も対応可能です。
当社のコンサルティング&受託解析サービスは、ナショナルデータベースを活用した調査・研究プロジェクトの円滑化と適切なデータ処理を可能にする、強力なサービスです。お客様には、ぜひ当社のサービスをご活用いただき、調査・研究における効果的な意思決定をサポートいたします。当社の専門スタッフが、高度な分析技術と豊富な経験を活かして、お客様のニーズに合わせた最適な解決策を提供いたします。

システム構成・サービス構成

レセプト情報・特定健診等情報データベース分析支援

用途・適用業務

ナショナルデータベースの概要とメリット

  • ナショナルデータベースは、厚生労働省(厚労省)が管理する公的医療データベースです。このデータベースには、日本国の保険診療に関するデータがほぼすべて収録されており、国内最大のレセプトデータベースとして知られています。医療分野の研究開発や、保健医療サービスの提供に役立つ情報を提供しています。
  • このデータベースは、特定健診・特定保健指導情報や、医科外来レセプト、医科入院レセプト、歯科レセプト、DPCレセプト、調剤レセプトなどを収集・格納しています。これにより、日本国内のほぼすべての保険診療による医療行為を調査・研究することができます。
  • このデータベースは、公的な統計・調査・研究だけでなく、製薬企業などの民間事業者による利用も可能です(参考文献1)。2020年10月(令和2年)改正「高齢者の医療の確保に関する法律」の施行により、ナショナルデータベースが民間開放され、民間企業も利用できるようになりました。
  • 医療分野の研究開発に資する分析、適正な保健医療サービスの提供に資する施策の企画及び立案に関する調査、疾病の原因並びに疾病の予防、診断及び治療の方法に関する研究(アウトカムリサーチなど)、保健医療の経済性・効率性及び有効性に関する研究(医療経済評価など)が可能です。
  • 2020年10月(令和2年)改正「高齢者の医療の確保に関する法律」の施行により、ナショナルデータベースは民間開放され、製薬企業などを含む民間企業も利用可能になりました。また、国内すべての介護レセプトを収載する介護DBとの連結解析が可能になりました。さらに、2022年4月からは国内すべてのDPC個票を収載するDPC-DBとの連結解析も可能になり、従来不可能だった幅広い調査・研究が可能となりました。
  • さらに、ナショナルデータベースを用いたリアルワールドデータ研究には下記のメリットがあります。
    1. 全年齢層のデータを網羅しているため、75歳以上の後期高齢者を含む、あらゆる年齢層のデータを調査できます。
    2. 保険者変更に影響されず、ペイシェントジャーニーを追跡可能です(退職、転職や後期高齢者制度への移行など)。
    3. かかりつけの診療所・クリニックからDPC病院などの高度機能病院の治療まで、全ての医療内容を名寄せして調べることができます。
    4. DPC-DB(DPC個票)や介護DB(介護レセプト)と連結して、幅広いアウトカムリサーチが可能です。

ナショナルデータベースの特徴

  • 対象者は国内のすべての保険診療受診者ですが、電子レセプトのみを対象としているため全レセプトの約99%のカバー率となっています(参考文献2)。
  • 一方、特定健診・特定保健指導情報データの対象者は40歳~74歳の全ての特定健診受診者ですが、特定健診の受診率は2019年度で55.6%となっています(参考文献3)
  • 指定難病医療や生活保護者医療などの公費医療のレセプトもすべてカバーしています。
  • レセプトを発行した医療機関の情報を、自前で用意したマスタで分類することが可能です。例えば、特定専門医療機関や大学病院での治療を層別化して分析可能です。
  • ただし、被保険者台帳のデータがないため、死亡情報に関してはレセプトの転帰情報などから推定する必要があります。
  • 利用にあたっては、厚労省に収入印紙で手数料を納める必要があります(参考文献4)。抽出されるデータに応じて手数料額は変動します。なお、特定の公的補助金(国立研究開発法人日本医療研究開発機構研究費や厚生労働科学研究費など)を取得している方は手数料を免除されます。詳しくは、こちら(参考文献5)をご覧ください。
  • 利用にあたっては、セキュリティの担保された部屋にてインターネット等の外部ネットワークに接続しないコンピュータでの利用が義務付けられています。クラウド環境でのナショナルデータベースデータの分析・解析は認められていません。
  • 利用にあたっては、定められた申出締切日に間に合うよう研究計画書などの書類準備が必要となります(参考文献6)。かつ、専門委員会にてナショナルデータベース利用申請が承諾されてからデータの受領までの期間を考慮する必要があります(参考文献7)。そのため、利用にあたっては入念な準備が必要となります。
  • ナショナルデータベースで提供されるデータの構造は複雑かつデータ量が膨大なため、ナショナルデータベースのデータに習熟していないと分析・解析は難しいという特徴があります(参考文献8)。
  • ナショナルデータベースはレセプトデータベースであるため、保険診療における血液検査や画像検査などの「結果」は取得できません。一方、特定健診における肝機能検査や腎機能検査などの「結果」は利用可能です。そのため、レセプトで定義できない疾患定義やアウトカム定義を用いたい場合は、ナショナルデータベース以外の医療データベースが推奨されます。

メリット・効果

NTTデータのレセプト情報・特定健診等情報データベース分析支援サービスのメリット

  • レセプト情報・特定健診等情報データベース分析支援サービス(有料)の主なラインナップは以下の通りです。本サービスを利用することで、多くの研究者がこれまで断念してきたプロセス上の課題や技術的なハードルをクリアすることができるとともに、研究に必要な資源やプロセスのかなりの部分を委託でき、コアとなる医学的見地に基づく解析に注力することが可能となります。
    1. 研究のアウトライン(コンセプトシート)を基に、必要なデータの検討、データ抽出の設計、および分析結果(アウトプット)に関する検討
    2. 分析環境(分析室、サーバ機器)の構築
    3. データの格納
    4. データの名寄せ・クリーニング
    5. 分析用データセットの作成、集計表作成、統計処理
  • また、ナショナルデータベース単体ではなく、DPC-DBや介護DBとの連結解析も対応可能です。
  • 詳しい資料のご提供や説明会なども承っております。問い合わせフォームよりご相談ください。
  • 本サービス提供者は、それぞれの公的データベースの第三者提供窓口ではございません。レセプト情報・特定健診等情報データベースに関するデータベース自体の問い合わせや、利用に関するご質問に関しては、それぞれのデータベースの第三者提供窓口にご連絡いただきますよう、お願い致します。

特長

レセプト情報・特定健診等情報データベース分析支援サービスの強み

  • NTTデータでは、長年にわたり医療保険制度に関わる各種システム(医療保険者、審査支払機関、医療機関等)に携わっており、特に、医療レセプト(医科・DPC・歯科・調剤レセプト)、特定健診データに関する深い知識・知見を有しています。
  • NTTデータでは、ナショナルデータベースにかかるデータ分析研究基盤にかかる研究の実施(参考文献9)等で、ビッグデータ解析基盤にかかる技術的な知見を蓄積すると共に、大学等におけるヘルスケアデータ分析研究の支援実績を通じ、研究に適した形にデータクリーニング(名寄せや構造化等)し、データセットの形で提供するプロセスに強みを持っています。

他のデータベースと比較したレセプト情報・特定健診等情報データベースの優位性

  • 各個人の各レセプトを研究対象とすることができるため、興味に応じたきめ細やかな研究条件で調査・研究が可能です。これに対し、レセプト情報・特定健診等情報データベースオープンデータは規定の粒度で集計済みのデータのため無料で即座に利用可能ですが、定型的な調査・研究に限定されてしまいます。
  • 全日本国民のレセプトを収集したデータベースであるため、保険の切り替え(退職や後期高齢者制度への移行など)や通院している医療機関の変更にも対応可能です。例えば、診療所やクリニックのかかりつけ医での治療内容と救急搬送された大病院での治療内容も同一個人に名寄せ可能です。また、退職や後期高齢者移行前後の治療内容についても同一個人に名寄せ可能です。
  • 全国の被用者保険(協会けんぽ、健康保険組合、共済など)、国民健康保険(市町村国保など)、後期高齢者医療制度のすべてをカバーしており、地域の医療状態の比較が可能です。これに対し、国保データベース(KDB)は特定都道府県の国民健康保険と後期高齢者医療制度をカバーしており、特定の都道府県の調査・研究に限定する場合に有効なデータベースとなります。
  • ナショナルデータベースのレセプトは全医療機関を対象としていますが、DPC-DBなどに収載されているDPC個票はDPC病院の入院のみを対象としています。レセプトは保険傷病名や処方内容に関する情報が含まれている一方、DPC個票には一部疾患の重症度などの情報が含まれており、実施できる研究内容が異なります。現在では、ナショナルデータベースとDPC-DBを連結解析できるため、より幅広い調査・研究が可能です。
  • 診療報酬明細書(医科外来レセプト、医科入院レセプト、歯科レセプト、DPCレセプト)と調剤報酬明細書(調剤レセプト)のデータを、介護DBは介護レセプトのデータを収載しています。現在では、ナショナルデータベースと介護DBを連結解析できるため、より幅広い調査・研究が可能です。
  • 全日本国民を対象とした大規模かつ一般化可能性の高い調査・研究が可能です。一方、レセプトデータベース(Claims database)ゆえの弱点もあるため、検査値が必要な研究などに関しては電子カルテデータが利用可能なデータベースが適している場合もあります。

参考文献

  1. 匿名レセプト情報・匿名特定健診等情報の提供に関するガイドライン
    https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000923325.pdf
  2. 社会保険診療報酬支払基金のレセプト請求形態別の請求状況
    https://www.ssk.or.jp/smph/tokeijoho/tokeijoho_rezept/tokeijoho_rezept_02.html
  3. 2019年度特定健康診査・特定保健指導の実施状況について
    https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000755573.pdf
  4. NDBの利用を検討している方へのマニュアル
    https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000950356.pdf
  5. 匿名レセプト情報・匿名特定健診等情報データベース(NDB)の第三者提供 よくあるご質問(FAQ)6 手数料に関する質問
    https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000950364.pdf
  6. 【NDB】匿名レセプト情報・匿名特定健診等情報の提供に関するホームページ 第三者提供の審査スケジュール
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/reseputo/index.html
  7. 第3回匿名医療情報等の提供に関する専門委員会 資料1「NDBの更改と医療・介護データ等の解析基盤の開発着手」
    https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000756514.pdf
  8. 第3回NDBユーザー会報告書
    http://square.umin.ac.jp/ndb/PDF/NDB_3rdUG_report_20210215.pdf
  9. NTTデータ「新たなエビデンス創出のための次世代NDBデータ研究基盤構築に関する研究」
    https://www.nttdata.com/jp/ja/case/2018/102501/