NTT東日本様

社内ポータルサイト「i See」の再構築により
社内外を網羅したセキュアかつスムーズな情報共有を実現

リーフレット(PDF:1.9MB)

組織の再編成と厳格化するセキュリティ要件により、グループ企業の情報集約・連携強化を図る新たな情報基盤が求められたNTT東日本。これに対して同社では、社内ポータルサイト「i See」を構築し、ブラッシュアップを重ねることで、社内だけでなく社外パートナーともセキュアかつスムーズな情報共有を実現した。さらに今後は、他事業部での利用促進に向けてi See自体をAPI化するような取り組みも検討されている。

お客様の課題

  • 組織の再編成に伴い、情報集約・連携強化を図る新たな情報共有基盤が求められた
  • 電気通信事業法や厳しいセキュリティ要件を満たす、詳細なアクセス権限設定が必要だった
  • 従来の社内ポータルサイトでは、システム側での細かい要求に対応できなかった

導入効果

  • 業務の連携やコミュニケーション、情報の蓄積など、多彩な用途への対応が可能に
  • 社内だけでなく、社外パートナーともセキュアかつスムーズな情報共有を実現
  • 付与権限単位を細分化することで、制限された環境の中でも快適な情報共有を実現

本稿に登場するサービス

i See

NTT東日本の本社、支店、グループ会社の情報集約・連携強化を目的とした社内向けポータルサイトです。閲覧者の権限に合わせたアクセス制限でセキュリティを確保しながら、組織内・外の情報の一元化、コミュニケーションの円滑化を図ることができます。

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ケーススタディ

導入の背景と課題

再編成と情報セキュリティの厳格化でセキュアな情報共有の仕組みが必要に

2東日本エリアにおいて、光ファイバーを中心とした地域電気通信業務および、これに附帯する業務を手掛けている東日本電信電話(以下、NTT東日本)。同社では業務の効率化に向けて、これまでNTT東日本エリアの都道県単位に設置していた17支店を、2014年7月に6つの事業部へと再編成。また、さらなる地域密着型のサービス提供を目指し、首都圏(東京/神奈川/千葉/埼玉)および北海道を細分化した29支店を、事業部内部組織として設置した。

ネットワーク事業推進本部 設備企画部 クラウドネットワーク推進PTの大山佳穂氏は「この組織再編によって、設備の分担が大きく変わり、情報連携や業務の分担を考え直す必要がありました。時代の流れとして、光回線の開通件数が多かった頃は各支店が独自の手法でビジネスを進めていても問題ありませんでしたが、需要がある程度まで落ち着いたことから、ノウハウの集約とエリアとしての対応が求められてきたのです。こうした業務の整理にあたり、フローをいかに上手く回せるかという観点から生まれたのが、NTT東日本の本社および支店、グループ企業の情報集約・連携強化を目的とした社内向けポータルサイト『i See』でした。単なる情報共有ではなく、人と人とのつながりを深め、地方で蓄積されたノウハウを可視化・共有する、といった狙いもあったのです」と語る。

2014年当時は、情報セキュリティが特に厳しくなった時代だ。各支店では、情報共有用のWebサイトやデータベースを独自に構築していたが、これらがセキュリティの規定に抵触し、次々と強制閉鎖に陥っていったという。そこで本社としては、セキュアに情報の共有と蓄積ができ、なおかつ変化する業務体制の中で連携を強められるような仕組みがほしかったのだ。

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東日本電信電話株式会社
ネットワーク事業推進本部
設備企画部
クラウドネットワーク推進PT
大山 佳穂 氏

選定ポイント

社内向けポータルサイト「i See」完成後 開発の第2フェーズでさらなる課題が

こうして同社では、再編成前の2014年1月に社内向けポータルサイト「i See」を完成させた。しかし、ここで新たな問題が発生する。i Seeの立ち上げ時、主幹として企画段階から携わった大山氏は「当時のi Seeは、まだデータのアップロードとダウンロード、あとは簡単なアクセス権限の設定のみしか行えないものでした。そこで第2フェーズとして、業務の連携やコミュニケーション、情報の蓄積、より詳細なアクセス権限設定といった各種要件を追加しようとした際、開発事業者に対してなかなか具体的な機能を伝えることができなかったのです。一方の開発事業者側でも、当初から一般的な社内向けポータルサイトとして取り組んでいたため、そこまでの追加要件が発生すると予想していなかったようでした」と、当時の課題について語る。

こうした背景には、事業部の再編成だけでなく、NTTグループならではの事情が関係していた。まず大きかったのが、1985年に日本電信電話公社(以下、電電公社)が民営化された際に制定された「電気通信事業法」の存在だ。

大山氏も「弊社では、電電公社の時代に作られた公共的な設備を保有しているため、これらの設備情報と民営化後の営業活動を結び付けることが禁止されています。そこでセキュリティ上においても、営設(営業・設備)で情報を遮断しなければいけないのです。営設で兼務ができないのはもちろん、フロアやファイルサーバなどもすべて厳密に分けられています。こうした点から、どうしてもより詳細なアクセス権限設定が必要不可欠でした」と語っている。

さらに、社内における人の異動が多いため、たとえばアップロードしたファイルを引き継げる、異動に伴いアクセス権限を変えるといった、システム側での細かい対応が求められたのだ。

このように一般的な社内ポータルサイトの域を超えた要件に対応すべく、新たに開発事業者の選定をスタートしたのである。

導入の流れ

アジャイル開発の採用や基盤の移設で社外連携も可能な情報共有へと進化

追加開発の依頼に際しては、いくつかの事業者が候補に挙げられた。その中でも特に期待を集めたのが、NTTデータだった。

大山氏は「まずは必要な機能の提示を求める事業者が多い中、NTTデータは具体的にどのような機能が必要になるかという部分から、一緒に考えてもらえることが大きなポイントでした。漠然とした要望を具体的な機能に落とし込めるよう、営業担当者が常駐し、要件定義から進めてもらえるのは非常に助かりましたね。また、i Seeでは複数のユーザーが同時にデータをアップロード・ダウンロードするため、相応の基盤やログ管理のノウハウも必要になります。設備関連だけで約2万人のユーザーがいるため、そうした点でも、インフラ構築で数々の実績を持つNTTデータに任せることができたのは心強かったです」と、事業者選定のポイントについて語る。

こうして同社では、2014年6月からi Seeの再構築をスタート。早い時には3週間に1度のペースでブラッシュアップを繰り返しながら、2016年9月に機能面でほぼ最終形のi Seeが完成した。

i See開発事業で二代目の主幹を務める、設備企画部 設備計画部門 設備計画担当の磯部智史氏は「ユーザーの利便性を重視するため、UIこそ初期状態のものを踏襲しましたが、中身はほぼすべて作り替えました。まず開発については、弊社として珍しいアジャイル開発を採用しています。これは、次々と段階的に上がってくる要望へ配慮したもので、実際にアジャイル開発でなければ対応できない局面が数多くありました。また、基盤については拡張性も考えて、社内システムのプライベートクラウド基盤へと移設してあります。さらに社内だけでなく、実際に通信インフラ設備の施工を手掛ける社外パートナーの通信建設会社とも、i Seeを介した情報共有が行えるようにしたのは大きなポイントです。この点については、NTTデータが、弊社で認証基盤を手掛ける部門と連携し、ネットワーク構成と指紋認証の導入を進めてくれたことで実現できました」と語る。

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東日本電信電話株式会社
ネットワーク事業推進本部
設備企画部
設備計画部門
設備計画担当
磯部 智史 氏

導入効果と今後の展望

他事業部での利用促進に向けてi See自体をAPI化する取り組みも検討

こうしてi Seeは、セキュアでありながらも情報共有システムやコミュニケーションツールなど多彩な要素を含む、大規模な社内ポータルサイトへと成長した

その利便性について、大山氏は「現在はユーザー側として業務を行っていますが、i Seeで回っている業務の多さに改めて驚きました。周囲からも『もしi Seeがなくなったら、事業運営に支障をきたすレベルでまったく仕事にならない』という意見に、その存在感の大きさを再確認しています。情報共有やコミュニケーションの基盤としてだけでなく、動画コンテンツを用いた社員研修などにまで使える、まさに弊社を支える重要な柱のひとつです」と語る。

また、磯部氏はi Seeの完成度について「NTTグループは、一般的な企業と比べてかなり厳格な情報セキュリティ要件が求められます。そうした中、i Seeを通じて社内ユーザーはもちろんのこと、社外パートナーである通信建設会社とも円滑なコミュニケーションができるようになったのは、インフラ構築で数々の実績を持つNTTデータのおかげです。単なる情報共有の枠を超えて、人と人とのつながりを深められる、まさに理想的な社内ポータルサイトが完成しました」と笑みを見せる。

さらに、設備計画担当の土居祐太朗氏は、「現在、社外とコミュニケーションできるのはi Seeのみですが、別の事業部から使いたいという声が増えているため、i See自体をAPI化するような取り組みも検討中です。具体的には、i Seeを『ポータルサーバ』『認証基盤』『アプリ・データベース』という3階層構造に分離。ポータルサーバと認証基盤を流用可能にすれば、別の事業部では新たにアプリとデータベースを構築するだけで済むわけです。i See本体ですべての機能を網羅した場合、どうしても開発コストが上がりすぎてしまいますから、これが最善策といえるでしょう。三代目の主幹を引き継ぐにあたり知識面での不安もありますが、NTTデータが一緒に歩んでくれるので大変助かります」と、将来の展望とNTTデータへの期待を語ってくれた。

こうしてi Seeは、情報共有の観点からNTT東日本の事業を支える重要な柱のひとつとなった。そして今後も、より多くのユーザーを支える情報共有基盤となるよう、NTTデータでも全力でサポートしていく。

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東日本電信電話株式会社
ネットワーク事業推進本部
設備企画部
設備計画部門
設備計画担当
土居 祐太朗 氏

お客様プロフィール

お客様名

NTT東日本

商号

東日本電信電話株式会社

所在地

東京都新宿区西新宿3-19-2

会社設立

1999年7月1日

事業概要

日本電信電話株式会社(NTT)の再編成に伴い誕生した、NTT東日本の略称で知られる日本最大手の電気通信事業者。激しく変化する近年の事業環境に対し、近年では「回線事業」から「サービス事業」を中心とした収益構造へと転換を図っている。

ウェブサイト

https://www.ntt-east.co.jp/

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