株式会社ルグラン様
詳細な気象情報と女性目線による開発で働く女性をサポート!
住んでいる場所や勤め先のピンポイントな天気からファッションを提案するアプリ「TNQL」を開発
ビッグデータを活用したサービスやコンテンツの開発と、そこから得られたデータの分析を得意としているルグランは、デジタルマーケティング領域におけるノウハウと「天気」を組み合わせることで、毎日のファッションを提案するサービス「TNQL(テンキュール)」を開発。ユーザーにとって本当に役立つリコメンドサービスにするため、ハレックスの提供する1kmメッシュで1時間ごとに更新される情報と気象予報士のノウハウを取り入れた。汎用性の高い気象情報を活用したサービスの開発で、新たな市場開拓を目指している。
お客様の課題
- 働く女性の「自分らしいおしゃれ」を助けるファッションリコメンドサービスの開発
- ピンポイントかつリアルタイムの気象情報を活用したエンドユーザー向けサービスの実現
- 多彩かつ複雑な気象情報をユーザーにわかりやすい形で表現するアルゴリズムの開発
導入効果
- 天気にあわせたコーディネートをリコメンドするファッションテックサービス「TNQL」の誕生
- 女性を中心に日本全国の幅広いユーザーを獲得
- 気象情報とノウハウを活かした新規市場開拓の可能性の創出
本稿に登場するサービス
気象データを活用したファッションテックサービス「TNQL(テンキュール)」
気象ビッグデータを分析・活用し、天気や気温の変化に合わせその日のコーディネートをリコメンド。毎日変わる天気に影響されることなく、いつでも自分らしいおしゃれを楽しみたい女性のために開発されたサービスです。
ケーススタディ
導入の背景と課題
ピンポイント天気予報×ファッションリコメンドで働く女性の「自分らしいおしゃれ」を助けたい
ルグランはビッグデータを起点に個客の心を動かすサイトやクリエイティブを創り、企業価値を上げる「しくみ」 を考え、その効果についてデータ検証を徹底的に行っている。データの活用と分析を通してユーザーや企業のために尽力するルグランが、新たに目をつけたのが「天気」だった。ルグラン プロデューサーの山本 了大氏はこう語る。
「気温や降水量の変動が激しくなる中、自分が暮らす場所や地域の正確な気象情報を知りたいというニーズは年々高まっており、特に女性にとって毎朝の服装選びに天気予報は不可欠です。しかし、一般的な天気予報は都道府県をいくつかの地域に分けた程度の広い地域の情報なので、実際に自分のいる場所の天気とは合わないことも少なくありません。働く女性が天気に影響されず、自分らしいおしゃれを楽しむためのサービスを提供したいと考えました」
女性社員も多く、アパレルブランドとのビジネスも多く展開してきたルグランにとって、不足していたのは詳細な気象情報と、それを活用するためのノウハウだ。その部分を担当したのが、NTTデータのグループ会社であるハレックスだった。
選定ポイント
1kmメッシュで1時間ごとのリアルタイム更新 詳細なデータと気象予報士のノウハウが決め手
ハレックスでは全国37万地点の1km四方に区切った気象情報を、1時間ごとのリアルタイムで提供している。まず着目されたのが、この詳細な情報だった。
「詳細な気象情報を提供できるハレックスを紹介され、天気を使ったサービスが提供できそうだということになりました。そこで誕生したのが、天気にあわせたコーディネートをリコメンドするファッションテックサービス『TNQL(テンキュール)』です」(山本氏)
気象庁からもさまざまな気象データは公開されているが、その形式はさまざまで、総合的な利用は難しい。詳細かつ、使いやすいデータ形式で提供できるハレックスは、ルグランにとってうってつけのパートナーだった。
「開発に入ってみると、数字の印象と実態が違うことに戸惑いました。たとえば1時間1mmの降水量とはどの程度の雨なのか、体感温度には気温だけでなく湿度などが関わってくるということはわかっていても、湿度がどの程度だとどうなるのかといったこともわかりませんでした」と山本氏は気象データ活用の難しさを語る。
多彩なデータをファッションという形に落とし込むためには、そのデータが何を意味するかを読み解くことが必要だが、これをサポートしたのもハレックスだ。気象予報士を各種メディアへ派遣する業務からスタートしたハレックスには、現在も多数の気象予報士が所属している。サービス開発には、テレビ番組等で気象情報をもとに服装の一言アドバイスなども行ってきた経験の豊富な3人の女性気象予報士が加わった。
「気象予報士の方の知識をお借りすることで、気温だけでなく風速や湿度を考慮して体感温度へ落とし込むアルゴリズムを構築することができました。リコメンド時に添えるコメントの表現なども工夫してもらっています。開発の初期段階からリリース後の現在に至るまで多くの協力をいただいており、ハレックスさんがいなければ『TNQL』はできなかったと感じています」と山本氏はハレックスの貢献を高く評価している。
導入の流れ
イメージ喚起しやすいイラストを採用!女性目線で使いやすいサービスを開発
「TNQL」では天気や好みに合わせた多様なコーディネートの提案、体感温度によるリコメンドといった機能を主に提供している。そのリコメンドには写真ではなくイラストを利用したのも大きな工夫だ。
「最初は写真がいいだろうと考えたのですが、開発チームの女性たちからは絶対にイラストが良いと言われました。写真だとイメージが明確すぎて、同じアイテムを持っていないと応用しづらくなります。またファッションは好みも大切なので、モデルを含めて好き嫌いが強く出やすい写真は向いていないというのです。そのあたりは女性の視点が大切だなと感じました」と山本氏。
開発には女性に積極的に加わってもらう予定だったというが、実際にはハレックス側を含めてほぼ全員女性というチームでの開発になった。作る人が使う人でもあるという共通認識のもと、ユーザーに寄り添った開発が進められた。
「開発ワークショップの中で、気温帯や午前午後の降水量によって服装を変えたいという意見から、温度帯の区分けと降水量区分の組み合わせで720通りのイラストを用意しました。イラストからだと男性でもなんとなくイメージしやすいので、自分の服装を決めるために利用しているという男性もいるようです」と山本氏はイラストを採用したからこその広がりも語る。
また開発時のワークショップでは新たな機能も提案された。自分が実際に何を着たのかを記録する「コーデログ」や、SNSへのシェア機能などがそれだ。
「同じような天気が続く季節だと、リコメンド自体は同じようなものになってしまいます。そこで実際に着たものを記録しておけば、前回会った時も同じ服だったというようなことが防げるわけです。これはイラストでの登録だけでなく、自分の服を撮影して保存することも可能にしました」と山本氏は女性の声がサービスに活きている様子を語った。
導入効果と今後の展望
幅広いユーザーの生活に密着 気象情報を活用した新サービスも狙う
働く女性のために作られた「TNQL」の、メインターゲットは20代から40代の女性だ。実際の利用者層について、開発チーム唯一の男性であり、データ分析を担当するルグラン 代表取締役 共同CEOの泉 浩人氏は次のように語る。
「予想どおり、幅広い層の女性に使っていただけています。人数的には首都圏が多いもののユーザーは全国に広がっており、詳細な気象情報を元にしたファッションリコメンドに高い需要があったと実感しています。利用時間は出かける前の朝と、翌日の予定を立てている夜に多く、ユーザーの生活に溶け込んでいる様子がよくわかります」
「TNQL」はスマートフォンでの利用を強く意識した作りながら、ネイティブアプリではなくブラウザから利用するWebサービスになっている。インストールの手間がかからず、端末の容量も圧迫しないことで幅広く気軽に使ってもらえることを目指したからだ。その狙いはあたり、ユーザーからはより生活に密着したサービスに成長することを期待されているようだ。
「出かけた場所の記録やメモなどを加えられるライフログのようなものにしたいという要望もあります。現在はよりさまざまな提案ができるようイラストの種類を増やしていますが、いずれはアパレルブランドとコラボレーションして、追加のコーディネートとして写真を使ったものを提案したり、購入ボタンをつけたりといった機能も考えられますね」と山本氏は「TNQL」の今後を語る。
さらにハレックスの提供する気象情報を利用した、新しい展開も検討中だ。
「気象情報は市場でもかなり汎用性のあるデータだと思います。ファッションだけでなくさまざまな業界で気象データを活用したサービスが提供できるよう、一緒に市場を切り拓いていきたいですね」と山本氏はハレックスとのさらなる協業強化に強い意欲を示した。
お客様プロフィール
- お客様名
-
株式会社ルグラン
- 所在地
-
東京都渋谷区宇田川町2-1-13F
- 営業開始
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2006年4月1日
- 事業概要
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株式会社ルグランは、業界のパイオニア「オーバーチュア」の立ち上げメンバーにより設立されたデジタルエージェンシー。この領域において10年以上の経験を持つルグランでは、ユーザーエクスペリエンスを起点としたサイト構築をはじめ、マーケティング施策全体を提案する。
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