求められるサプライチェーン再構築
食のパーソナライズやD2Cなどのトレンドが加速することで、個人の嗜好や好みに応じた、これまでよりも複雑な需要への対応が必要となります。
加えて、食の透明性や安全性の担保、環境への配慮なども求められており、これらの市場環境の変化や社会課題へ素早く適応していくためには、企業はビジネス変革とともに、今後さらなるサプライチェーンの再設計や最適化することが重要となってきます。
カスタマードリブンなサプライチェーンへの変革
従来の販売チャネルに加えて、ECやSNSなどデジタルで顧客接点をオムニチャネル化することにより、企業側は生活者ニーズをよりダイレクトにとらえることが可能になります。近年の社会情勢の変化、個人のライフスタイルや価値観の多様化など市場のダイナミックな変化に対して最適な供給アプローチをとるためには、これまで以上にスモールマスを意識した生活者起点でのサプライチェーン構築が必要になります。NTTデータは、AI、IoT、ブロックチェーンなどのデジタル技術を活用しながらこの変化の激しい市場に対して柔軟性のある「カスタマードリブン」なサプライチェーンを実現することを提唱しています。
食の世界におけるサプライチェーン変革要素
食品業界におけるサプライチェーン領域ではより精緻な需要の予測、多品種生産など複雑な制約に対応できるサプライチェーン計画など幅広い領域で最適化、高度化が進められるとともに、特に需給コントロールの領域では企業間規模での取り組みを行うことで全体最適化を目指す動きも見られ始めています。
NTTデータではこれらの取り組みに対し、AIやデータプラットフォームなどのソリューションに加えて、最適なSCPツールを選定、活用しながら変革を支援しています。
想定される課題 | 解決の方向性 | |
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1 | 需要計画時点の精度不足・担当者ごとのばらつき |
販売計画・予測の精度向上
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2 | 複雑化する製造オペレーションの属人化 |
業務標準化・最適化技術への置き換え
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3 | 流動的な需要変動に対する欠品・過剰在庫リスク |
部門間のタイムリーな情報連携と需要コントロール最適化
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【事例】AIを活用した需要予測
ある食品メーカーでは、デジタルシフトに対応した業務改革の一環として、需給の最適化ひいてはフードロス削減を目的に、DataRobotを活用した売上の予測モデルの構築を推進中です。
今後、需要予測や販売計画と生産や需給計画のデータ連携を進めることで、需給の最適化を目指しています。
お客さま課題
家庭用商品における売上予測の精度向上
【事例】複雑な生産計画の自動化
キリンビール株式会社では数週間かけてビールを製造する際に、品質やGHG排出量、新鮮な商品をお客さまへ提供するリードタイムを考慮して、ビール濾過装置や払出しタンク選定の計画立案に日々時間を要することが長年の課題でした。
そこで、AIを用いた制約プログラミング技術を活用した濾過計画システムを構築。
この結果、6.5時間かかっていた計画業務が55分へ短縮。キリンビール全9工場で本格展開し、年間3,000時間以上の効率化を実現しました。
AIを活用した濾過計画システムを、キリンビール全9工場に展開
キリンビール福岡工場へAIを活用した濾過計画システムを導入
【事例】グローバル企業間需給コントロール
ある大手製造業では、サプライチェーンに関わる企業間・部門間で情報の偏在や欠落が存在し、欠品などのトラブルが生じる課題がありました。
そこで、NTTデータが提供する情報活用基盤「iQuattro®」で情報を一元管理するプラットフォームを構築し、情報を見える化してリアルタイム共有する環境を実現。迅速な需給調整、問題発生時の素早い対応が可能になりました。
お客さま課題
サプライチェーン情報のリアルタイム管理によるトラブル防止、対応スピード向上
その他過去の講演・登壇情報
Customer Driven Supply(サプライチェーン)に関する当社ソリューション
NTTデータの取り組み
Food&Wellness
(健康情報活用)
企業の健康データを活用したウェルネスサービスの提供を促進
具体的な取り組み・事例はこちら
Food Innovation
(研究・商品開発)
デジタル技術を活用したデータ駆動型開発への変革をサポート
具体的な取り組み・事例はこちら
Customer Driven Supply
(サプライチェーン)
デジタル技術を活用したカスタマードリブンなサプライチェーンを実現